ユキコ ハナイ(Yukiko Hanai)がレセプションを開催新展開を発表
花井幸子が離れ、ディレクターの青木希素江とデザインチームがデザイン




花井幸子さんがユキコ ハナイ(Yukiko Hanai)のデザインから離れます。花井は8月5日、都内でユキコ ハナイの今後の新しいブランドビジネス展開を発表するレセプションパーティを開催しました。


 花井幸子さんは同社の会長から相談役に代わるとともに、これまで監修してきたユキコ ハナイから離れ、今後はディレクターの青木希素江さんとデザインチームがすべてを行います。


 独自の「濃厚な」エレガンスをベースにトレンドをプラスし、日本ともヨーロッパとも違う独自路線ともいえるデザインを展開してきたユキコ ハナイ。ここ数年、コレクションでも若さや軽さをこれまで以上に強調していました。また、日本橋三井ホールで行ったコレクションではショーのフィナーレに花井幸子さんとデザインチームがそろって登場。銀座店で行ったインスタレーションでも花井幸子とデザインチームと表記していました。さらに、昨年、通常は若手ブランドや海外ブランドが使う表参道のアイドルで開催したコレクションでは花井幸子さんと青木希素江さんの名前が併記され、最後には2人が登場しました。


 今回のレセプションパーティもここ数年行ってきた世代交代や昨年花井幸子さんが会長に就任したことを契機に一新した体制や組織、今後の方向性などを改めて紹介するために開催したものです。


 花井喜幸社長は「ユキコ ハナイは50年以上の歴史を持つブランドです。これまでブランドとデザイナーの名前が同じ、作り手の顔の見えるブランドとして展開してきました。今後は青木を中心にデザインチームがすべてを行うことになりますが、数年前から少しずつデザインチームが手がける比率を増やしてきました。2015年春夏と2015/2016年秋冬コレクションはすべて青木がデザインしています。ブランド名は変わりませんし、ブランドの考え方なども変わることはありません」と強調しました。


 また、ディレクターの青木さんも「時代とともに形やスタイルは変化しても花井幸子のユニークな色と香りは変わりません。ユキコ ハナイの女っぽい雰囲気やエレガンス、華やかな美しさに逆風が吹いたこともありましたし、無意識のうちに表現が薄められたようなこともあったかもしれませんが、今後はブランドの持つ匠の技を生かしながら、花井らしさを強く打ち出し、チームを引っ張っていきたい」と話しました。


 今、60代以上のスナップを集めたブログや写真集が人気を集め、トレンドも60年代、70年代、そこから派生した80年代、90年代も含めた過去のデザインや音楽からインスピレーションを受けたコレクションが増え、アーカイブもキーワードになるなど老舗が見直されています。しかし、その一方で、イッセイミヤケ、ケンゾー、タケオキクチなどが21世紀を前にデザイナーを交代して15年以上。料理店などでも二代目がこれまでのお客さまを満足させるには、先代以上の味が必要と言われますが、デザイナーブランドでも創業者からの交代には時間もかかります。


 2016年春夏コレクションについては未定で、ショー形式での発表はまだ先になりそうですが、世代交代が予想される日本の老舗デザイナーブランドを象徴するブランドのひとつという意味も含め、今後の展開も注目する必要がありそうです。





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