これまで乃木神社の社務所でしか売られていなかった、『名将乃木希典』がPHP研究所にて復刊します。

著者は故人となりますが、桑原嶽という陸軍中野学校出身者であり、自衛隊勤務を経て、長く中央乃木会の事務局長を歴任されていました。

私は高校3年生のとき、初めて乃木神社を訪れ、本書を購入しました。

それはこれまでの司馬遼太郎に代表される乃木無能論(文人としては優秀だが、軍人としては三流)との評価を根底から覆すものであり、最初は私も乃木神社で売っている本ということもあり、にわかには信じられないものがあったのは事実です。

しかしその後、防衛研究所に通い、本書の記載内容を逐次裏取りをしたところ、内容に何ら相違はなく、むしろ乃木無能論が誤っていたことを知り、以後は私の手元にあるバイブルとして大事にしていました。

その後、機縁にて私が中央乃木会の理事にさせていただき、昨年、中央乃木会の現事務局長である飯島さんから「名将乃木希典」が絶版となって久しいが復刊したいと考えているとの話を受け、かつて内容が十全であることを確認した身として、社務所ではなく市場に流通させるべきだと説明。
出版社との仲介を行いました。
※現、勝浦八幡神社の高橋宮司(前 中央乃木会事務局長)からも、強い支持をいただきました

幸いにしてPHP研究所の担当者は本趣旨に理解のある方で、本書出版に伴う様々な条件を呑んでいただき、発売へとこぎ着けた次第です。改めて感謝申し上げます。

内容も旧字体を改め、写真も追加され、現代の人たちが読みやすいよう修正されました。

高校時代に見つけた一冊の名著の復刊に、一部とはいえ、関与できたことは個人として栄誉であるとともに、これを機会に乃木無能論の虚説が淘汰されることを望んでやみません。

そろそろ書店に並び出す頃だと思います。


乃木希典と日露戦争の真実 (PHP新書)/PHP研究所

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