管理釣り場元管理人の管理釣り場四方山話③ | 蜂坊主のブログ

蜂坊主のブログ

ルアー・フライの釣りがメインのブログです。

管理釣り場の元管理人の

管理釣り場四方山話

今回のお題は、FBでリクエストの有った

『三倍体の魚』です。

まずは、三倍体の魚とは?
     ↓ こちらを  ↓
三倍体の魚って、なあに?

三倍体で有名なのは、栃木県水産試験場が研究開発した虹鱒の三倍体のヤシオマスです。

北海道でブランド化された銀河サーモンも名前が違うだけでヤシオマスと同じです。

三倍体のヤシオマスは、約2年で2~3kgになります。

個体差がありますが、サイズで言うと約2年で50~60cmです。

ヤシオマスの特徴は、生殖器を持たない疑似雌♀なのが特徴です。


釣りの対象魚としての一般的な特徴は?

・産卵行動をしない

・酸欠に成りやすい


産卵行動をしませんので

秋~初冬にかけての産卵モードパターンの疑似餌への威嚇喰いは、しません。


近年の虹鱒の三倍体には

釣り味(引き味)を良くする為と

更に大きく早く成長させる為に

ドナスチをベースとした三倍体もいます。

小さな虹鱒同士をベースにした三倍体よりも

ドナスチをベースにした三倍体の方が同じ飼育年数でも大きく成長するのと

ドナスチベースの方がパワーが有ります。

特にスチールヘッドの遺伝子を濃く受け継いだ三倍体のパワーは、物凄いです。

スチールヘッドの血が濃い三倍体の特徴は

・最後まで抵抗するファイト
(ファイト後に水から少しあげただけで回復しないで死んでしまう個体もいます)

・斑点が少なく

・銀毛(シルバーボディ)

・ファイト後の興奮時の虹鱒の特徴であるレッドバンドが薄い

・表層を回遊する

等の特徴が有ります。


通常の虹鱒同士の三倍体の場合

酸欠しやすい為と大きな身体を維持する為に

動きは、通常の虹鱒よりもスローです。

通常の小さな虹鱒を釣る疑似餌の速度では

捕食行動を諦めてしまう個体が多いです。

更に一度釣られると回復(次回疑似餌を捕食)するのに時間が掛かります。

環境の変化への対応が遅いとも感じました。

放流しても直ぐに疑似餌へ反応する個体が少ないですね!

放流して環境に馴染んで3日後に喰い出したとか…



放流して直ぐ疑似餌へ反応するのは

ノーマル魚                三倍体魚

1 スチールヘッド

2 ドナスチ                スチールヘッド(三倍体)

3 虹鱒(ノーマル)     ドナスチ(三倍体)

4                                   虹鱒(三倍体)

の順番ではないでしょうか!?

この順番は、疑似餌を追うスピードとも比例しています。

とは言え放流される三倍体のDNAが

何をベースに成っているのか?なんて

釣り人には、なかなか判らないですよね!?

三倍体の虹鱒を狙うには

疑似餌のスピードをスローにする

横へのダートを作って捕食しやすくする

体力を使わずに捕食出来ると思わせる

そんな工夫が必要です。


三倍体の魚で虹鱒と岩魚を交配した

ロックトラウトがいます。

虹鱒の三倍体よりも引きが強く

岩魚のDNAが強いと根(障害物)や

ボトム(低水温)を好みます。

ここでボトム(底)と言っても

完全に底に張り付いている訳では有りません。

魚探を何度も掛けていますがトラウトは

特殊な条件(適水温が底しかない)以外

ボトムべったりには定位していませんので

お間違えないでくださいね!

ロックトラウトの虹鱒のDNAが強いと

表層から中層を好み

銀毛の表層回遊タイプも現れます。

疑似餌を動かすスピードは岩魚の血で

魚食性が強いですので

小魚の泳ぐ速度にも反応しますが

三倍体は、通常の魚よりも

酸素を必要としますから

はや引きのし過ぎには注意が必要です。

デカイ魚は、遊泳力が強いですが

デカイ身体を維持するには

なるべく体力を使わない様になり

よっぽど活性が高くないと

動きが速すぎる疑似餌は諦める傾向が有ります。


三倍体の魚は、成長するスピードが速いですが

有る時期を越えると急速に老化します。

一番食べて当り外れがないサイズは

50~60cmです。

鶏で言うと成熟したばかりの若鶏です。

70cmを越えると食味が外れの個体が出て来ます。

例えると乳が出なくなったホルスタインを潰した牛肉です。

臭みが出てしまったり

身質が悪くなっていたりします。

通常の虹鱒は、塩焼きサイズが一番美味しいのは、やはり若い個体だからです。


三倍体は、どのくらい生きるのか?

養魚場でしたら80~90cmサイズにまで
(安定した三食昼寝つきの生息環境)

生きているでしょうが

ポンドに放流された三倍体は

夏を越せる個体は、大きな個体ほど


残念ながらほとんどが生き残れません。

養殖魚故に更に三倍体故に

身体を維持出来るほど

自然環境では餌を取れません。

放流時には見事な魚体も

日が経つにつれ痩せ細ってしまいます。

元々は食用として造り出された魚ですので

食べて美味しいのですが釣り場にずっと

同じ魚がいないのは考えると寂しいですね!

養魚場では寄生虫の検査を受けて

管理釣り場に卸していますので

管理釣り場で釣れた魚は、生食しても大丈夫です。

よく淡水魚は生食すると

寄生虫にあたると言われますが

管理釣り場で一年も生息している魚は

残念ながらほとんどいないと言えます。

まあ、気になる方は24時間以上冷凍して

生食してくださいね!



三倍体の虹鱒の釣りの話しを少ししておきます。

大きな魚体だから当たりは明確に出ると

思われる方が多いですが

喰い上げが多い岩魚の血が入った

ロックトラウトは明確な当たりが出やすいですが

虹鱒の三倍体は、捕食も下手で

疑似餌と同じスピードで食(は)む

口をパクパクする喰い方が多いです。

故に通常の管理釣り場のサイズの虹鱒よりも

当たりが小さい方が多いです。

疑似餌と同じスピードで食(は)んでいますからね!

そんな食性から渋いですね!

とよく言われました。

小さな魚は、当りを感じたら

合わせを入れないと魚体の軽さ故に

フッキングが、ままならないですが

大きな魚体の三倍体のパクパク喰いの当たりに合わせを入れてしまうと

口からルアーのスッポ抜けが多く

合わせを入れた瞬間に

魚の前からルアーが飛んで行ってしまい

捕食を諦めてしまう事が多いです。

せっかくのチャンスを小鱒の合わせをしてしまい逃している方が多いです。


針が掛かった当たりが有ったら

合わせを入れる様にしてください。
(魚体の重さで追い合わせは、ほとんど必要ないですが)

三倍体の魚を狙うなら

むやみに合わせを入れず

しっかりと針掛かりを待つのがコツです!

水車や噴水ポンプの流れが有るポンドなら

流れが緩くなる場所が三倍体が好むポイントです。

流れが強いポイントは三倍体にとっては

体力を維持出来ないポイントなんです!


三倍体のみならず

大型の鱒は、体力を温存出来て

楽に捕食出来る場所を好みます。


通常の小鱒と三倍体の大型鱒が混合で入っている管理釣り場なら

小鱒が釣れた棚よりも深くして

小鱒が釣れた速度よりも遅く疑似餌を操作してください。

合わせは、入れないでくださいね!

合わせを入れると小鱒がフッキングしてしまいますから!

小鱒をかわして小鱒の下にいる大型鱒を釣り分ける訳です。

釣り分け可能ですので試してくださいね!



管理釣り場四方山話③

『三倍体の魚』

いかがでしたでしょうか?

長文にお付き合い頂きありがとうございました。m(__)m



次回の四方山話のお題は…

聞きたい事など有りましたら

コメントに入れてくださいね!

あまりぶちまけたお題は敵を…



では、またね(* ̄▽ ̄)ノ~~ ♪







三倍体の魚は、自然界にいない魚ですので

魚止めがされている閉鎖水域(管理釣り場)にしか放流出来ません。

自然界に放流は、法律違反に成ります。

やっている所も有る?
    ↑             ↑
もし判ってもコメント入れないでね!

敵が…(笑)