管理釣り場の元管理人の
管理釣り場四方山話
今回のお題は
『白カビの生えた魚』
管理釣り場で泳いでいる魚に
白いカビが生えて泳いでいる魚がいます。
何故?白カビが生えて(病気)に成っているのか?
原因を知らない方が結構いらっしゃいます。
白く生える水カビをググッて調べてみました。
水カビ病解説サイト
鯉での例文でしたが文中に
水カビ病は、何らかの物理的な障害を受けた時に、二次的にミズカビが寄生する疾病で、健康な魚には寄生しない。
(サイト本文より引用)
予防法 別サイトです。
↑ ↑
健康で無傷の魚にはミズカビはつかない。したがって、魚をていねいに扱い、寄生虫や細菌の感染を予防し、一次原因となる体表の傷を作らないようにする。
(サイト本文より引用)
傷ができるとその部分に水カビがとりついて、体表から栄養分を吸い取るようになり魚を徐々に弱らせるわけです。
白カビが生えた魚とは?
外観的な特徴は、体表に菌糸体と呼ばれる綿毛状の着生物が付着して、毛皮状に見える。
体表に繁殖したミズカビは、表皮組織から奥に入り込み、寄生部位を壊死させる。
病魚は食欲不振に陥り、水面を浮遊し、末期症状では排水部に力なく寄ることがある。
本病による死因は、浸透圧差調節の破壊によるものである。
(水カビ病解説サイト本文より引用)
水カビはクリーンで冷たい水を好む生物で
25℃以上の高温では生きられないといわれています。
よくカビの生えてしまった観賞魚(金魚など)には
ヒーターを入れた温浴が効果的と言われる所以です。
浸透圧差調整の破壊って?
さてここで魚の体内塩分濃度は?
浸透圧に対する海水魚と淡水魚の体の仕組み
生物細胞の塩分濃度は0.9パーセント
(上記サイト本文より引用)
鯉をはじめ淡水魚では、魚体組織内のほうが環境水より浸透圧が高い。
真水に長時間浸した手がふやけてくるように、淡水魚の体組織には常に環境水が浸透してくる。
このため、淡水魚では常に多量の薄い尿を排泄し、鰓(えら)からは塩化物を吸収して、体組織内の濃度を一定に保っている。浸透圧差が高いほど、その調節にはエネルギーが必要になる。
病魚の治療の際に0・5%食塩水が有効なのは、環境水の濃度を魚体組織内の濃度と近づけて、病魚に無駄なエネルギーを消費させないようにするという意味合いもある。(水カビ病解説サイト本文より引用)
では管理釣り場で見られる
白カビが生えた魚は、どの様にして
白カビが生えてしまうのでしょう?
この魚は、体長50cmオーバーの魚です。
針を外す為に頭を掴まれ
尾びれ前を掴まれた跡に白カビが生えた原因は、火傷が推測出来ます。
この動画の魚の原因はなんでしょうか?
この魚は、白カビに侵されながらもかろうじて生きています。
口先部分や頭部に部分的に白カビが見られる魚は
針をプライヤー等の針はずしを使用せずに
手で針を外す際に手が魚体にキスタッチして
人と魚との体温差で火傷を負い
白カビが発生するのが原因です。
魚は、体温調整機能は有りません。
体温は、生息している水温です。
人間の平均体温を36度として
魚の体温(水温)を仮に10度とします。
体温差 36-10=26
36+26=62
62度のお風呂に入ったら
人間は、どうなります?
白カビの生えた魚とは?どんな魚か?
体表に傷が付いて水カビが生えてしまい
魚の粘膜や体表の細胞壁の一部が破壊され
体内塩分0.9%を維持する
障壁としての力が低下している魚です。
この状態で魚体内で
0.9%の塩分を保持することは
物理的な意味では不可能で
浸透圧の原理により外部から体内へ水が流入し
(それとともに魚の生理的プロセスにより体内の塩水が排泄され)
最終的に魚体内は 0.5%濃度(淡水の塩分濃度)以下と成ってしまいます。
元々体内で 0.9%必要だった塩分が
物理の法則によって 0.5%以下に減ってしまうのですから
魚の健康にとっては大ダメージに成ります。
※解説サイト中の治療薬のマカライトグリーンは、現在発癌性物質を含むと言う事で使用禁止薬となっています※
魚に白カビを生やしてしまう原因は
釣った魚の体表に傷を付けてリリースする事が原因です。
手で触れば魚と人間との体温差で少なからずとも火傷を負います。
魚を手持ちしてニコぱち写真を撮られて
リリースされた魚の末路は白カビが生えて
ほとんどの魚が死んでいます。
管理釣り場のみならず
フィールドの魚もです。
管理釣り場でラバーネット越しに
魚を掴んでニコぱち写真を撮られている写真を雑誌などで良く目にしますが
魚に触れている指の部分は火傷しています。
粘膜や体表を傷つけないでリリースするには
リリーサーなどを使って魚に一切触れないのが最良なんでしょうね !
ネットを使用せずにリリーサーで針を外し
魚に優しいリリースをされているお客様に
ある日こんな質問をされました。
お客様『なぜフライの方は、手でフックを摘まんで外す方が多いのですか?』
私 『プライヤー等でフックを挟むとフライが壊れやすいからじゃないですか?』
ランディングネットでランディングして
空中で魚を保持してフックを手で摘まんで外す
ルアーの方もフライの方もされている方をみますが圧倒的にフライの方の方が多いのは事実です。
管理釣り場での釣行は、私はフライがメインで
どちらかと言うとフライフィッシングに趣をおいています。
お客様の問いかけにあの時は
恥ずかしい気持ちに成りました。
手で触れた魚をリリース
元気に泳いで行ったから大丈夫!?
大丈夫じゃないです
殺し屋から重症を負って逃げて行ってるんです
管理釣り場の元管理人の四方山話
今回のお題の内容は
知らなかった人にはグサッと刺さったのではないでしょうか?
管理人として働いていた際に
白カビが生える理由をお客様に教え
FC2で書いていたブログや
FBでも啓発していました。
長文にお付き合い頂き
ありがとうございました。m(__)m
次回の四方山話のお題は…
『干潮・満潮 潮回りの考察』
を予定しています。
では、またね(* ̄▽ ̄)ノ~~ ♪
追記
管理釣り場の元管理人の管理釣り場四方山話⑤
『白カビの生えた魚』
Twitter・Facebookのシェアにより
アップ後二日間で1441名と多数様のアクセスを頂きました。
ありがとうございます。
SNSで魚を手持ちして空中保持のニコぱち写真が有る限りリリース後に死んでしまう魚は、減らないと思っています。
白カビが生えて死んでしまう魚を減らすには雑誌等のメディアで記事にして頂ければ減ると思っていますがメーカーさんやプロスタッフさんに言及する事になりますので難しいと思っています。
今後もSNSの力を借りて定期的に啓発記事をアップして行こうと思っています。
シェアして頂いた皆さん
並びにアクセスして頂いた皆さん
心から感謝致します。
ありがとうございました。m(__)m