「どうも! ぼくはエクアドル出身のバナ山バナ夫です!」


「日本の方に美味しく食べてもらうために、広い海を越えて来日しました!」


「そしてスーパーに並んでいるところを、とある日本人男性が買ってくれました! もう~すごい嬉しかったよ!」






「さて。いつ頃食べてくれるんだろう?」


キョロキョロ…


「う~ん、ご主人様はどこにいるのかな?」













‥‥‥。







「えっ!」


「い…犬?」







ドキドキ…



「うわ~めっちゃ見てる…」


「犬ごときが高級バナナで有名なエクアドル産のぼくを狙っているのか?」











ゴクリ…









「えぇ~。自分、もう食べる気満々ですやん。完全にアウトやん。“バナ山、アウトー!”みたいなもんやんかぁ」






「おっ!」





「ははは~助かったぁ~。やっぱりこの人が食べてくれるんだ~♪」


「そうさ。ぼくはバナナだよ。人間に食べてもらわなきゃ」






「あ、どうぞどうぞ。ばんばん剥いちゃって下さい。一気にパクッといっちゃって下さいよ」






「あぁ。ひとくちずつ食べる派っすか?」








「…えっ?」








「ちょ…! 待っ…」








グワッ!







「うわぁぁぁ!! ぼ…ぼくは、エ…クアドルから…」








「に…日本の人に…taべT!$モhaナd☆*…!!%gリ」








「…!…!…!…!」









モグモグ…








モグモグモグモグモグモグモグモグモグモグ…









ゴックン…









ンフゥ~




















「ボクハ エクアドルサンノ バナヤマバナオ…」



「ニホンノヒトニ タベテモラウタメニ ライニチシマシタ…」







【完】