今年初めに、また映らなくなったPC-TM151の修理をしようとして一応映るようになったものの原因がわからず、様子見していたんですが、その後一週間ほどでまた映らなくなりました。

今度は何をしても、どれだけ長く通電しようとも強制的にスタンバイ状態になり、電源ランプが緑になることがありません。

 

現象的にどこかの回路の電源が供給されていないような気がします。

また、前回筐体を開けたときに底面基板にあるとある部品がガタついていることが気になっていました。

底面基板ではんだクラックが発生している可能性が高いです。

そこで今日まで3カ月弱、コンセントから電源コードを外して内部の電荷抜きをしていました。

 

今日はこれまで避けていた底面基板をメンテします。

 

PC-TM151の底面基板はブラウン管特有の高電圧を扱うフライバックトランスが載っている基板です。

2万ボルトを超える電圧を持つ電荷が残っている可能性がありますので、充分な知識、経験あるいは覚悟がないかたは絶対に真似しないでください。

本記事を模倣したことによる損害あるいは被害について筆者は責任を負いません。

 

◇◇◇

 

3カ月放置していたので電荷は抜けているはずですが、念のためアノードキャップ内部の電極をフレームグランドに落としてから、内部の基板を順にバラしました。

底面基板とネック基板は着脱不可能なケーブルで接続されていて分離できなかったので、ちょっとメンテが面倒でした。

 

事前に見当を付けていた部品は予想どおりハンダクラックしてましたので、再はんだしました。

 

ついでにほかのランドも再はんだしていたら、四級塩特有のあの匂いが…。

底面基板のほぼ中央にあるコンデンサ、C603がお漏らししていました。

 

外したコンデンサの容量を測ってみたら定格47μFに対して30μFくらいだったので、お漏らしした量はあまり多くはないようですが、近くにノンスルーホールがあったためパターン面へ浸潤したようです。

部品面/パターン面両方の洗浄をした後、コンデンサを交換しました。

いつぞやお漏らしを確認したコンデンサと同じ型番だったので他のコンデンサも見てみると、同じ型番のコンデンサが結構な数使われています。

今回お漏らししていたコンデンサのデートコード/ロット番号は9436/4JMでした。

同じ型番のもののほとんどはデートコードが95xxでしたが一つだけ9228のものがあったので、これも念のため交換しておきました。

注:デートコード95xxならばお漏らししない、という保証はありません。

  単に手持ち在庫の都合です。

  底面基板は発熱する部品も多いので、いずれは電解コンデンサの総交換をしたいところ。

 

元どおり組みなおして動作確認してみると、また映るようになりました。

が、前回の例もあるので、また様子見です。

 

【5/2追記】

今のところ問題なく動いています。

半田クラックしてた以上発熱対策も考えないとまた再発する可能性があるので、対策検討中。

【5/2追記終わり】

 

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底面基板を外したことで本体正面の操作ボタン基板やスピーカまでアクセスできるようになったので、左スピーカが鳴らない原因も調べました。

 

その結果左スピーカの断線が原因と分かりました。

これでは修理方法がスピーカ交換以外ありません。

元々あまり音質良くなかったし、そこまでして修理する気にもならないので、こちらはこのまま放置します。

 

◇◇◇

 

作業中に使っていた半田ごてではんだが溶けなくなりました。

このブログを始めた頃から使い続けていたものなので、さすがに寿命を迎えたようです。

単に使えなくなるだけならいいんですが、どうやら周囲の部品に何かの物質をまき散らしたらしく、こて台には白い粉末状のものがこびりつくし、こて先は保護パイプから抜けなくなるし。困ったもんです。

【4/3追記】

保護パイプからどうにかこて先を抜いて新しいものに交換したら、またはんだを溶かせるようになりました。

こて先内部の径がわずかに増えて隙間が大きくなってしまったためにヒーターの熱がこて先に充分に伝わらなくなっていたようです。

保護パイプから抜きにくくなっていたのもこて先が膨張して外径が0.4mmほど増えていたのが原因でした。

【4/3追記終わり】

 

以下、個人的備忘録

・TV基板にある15Vのシルク印刷の端子にはメイン基板で単波整流&平滑しただけの電源が供給されている

・ハンダクラックしていたのは78M12。本体前面の操作パネルに+12V電源を供給しているらしい。

・お漏らししていたコンデンサは7812の出力を平滑していた。この+12Vはメイン基板のあちこちと、近くにあるコネクタから別の基板に供給されていた。供給先がどんな機能かは未確認

・今回の修理でも、ビデオ入力/アナログチューナの不具合は直らず

・底面基板はレール状の部品で後ろに引っ張り出せるようになっていた。

 今までAV基板とTV基板だけを外していたけど、ネック基板を外した状態で残りの基板を丸ごと引っ張り出すのが正しい基板の外しかたっぽい。次回底面基板をメンテするときに試してみよう