以前86音源のチップコンデンサ交換を行いましたが、久しぶりに使ってみたら左チャンネルの音声が出なくなっていたので、補修しました。

(経年変化でいくつかのコンデンサの脚が浮いてましたので半田付けしなおしました)

 

そのついでに高音質化の改造とちびおとの追加をしました。

 

まずは高音質化です。

 

具体的な方法は以前「ざべ」誌に載っていたそうなのですが、さらに高音質化が望めるとのことで靖間 誠氏の記事を参考にさせていただきました。

 

〇4066の削除

 

 

まずは4066という石を外します。

あとは靖間 誠氏の記事に記載されている通りジャンパを飛ばしました。

YM3016にもコンデンサを追加しています。

タンタルコンデンサは入手できなかったので、OSコンを使いました。

 

改造前後の音質を比べてみます。

 

検証にはGuu氏のFMPというサウンドドライバとUME-3氏のデータを使いました。

 

〇検証サウンド再生中画面

 

曲は「α」主題歌です。

この曲は結構高い音(鍵盤番号70近く)まで使われているのが選んだ理由です。

 

写真撮影時にはUKKY氏のPPZ8も組み込んでますが、検証に使ったPC-386GSではパワー不足でPCMパートは正常に再生されなかったので、検証時はPPZ8の常駐を解除してます。

 

ちなみにPPZ8の再生サンプリング周波数を3kHzくらいまで落とせば一応PC-386GSでもPCMパートの再生ができました。元々486以上を推奨されているソフトなので、386ベースのPCでは無理がありました。

(あ、PC-386GSのCPUはCx486DLCに換装してます)

 

さて。

検証といっても私の耳はしょぼいので、改造前後の音声信号にFFTをかけてみました。

 

〇無音状態(スケールは0~10kHz)

 

〇再生中(スケールは0~5kHz)

 

〇再生中(スケールは0~10kHz)

 

いずれも左が改造前、右が改造後です。

 

確かに1kHz以上の成分が全体的に上がっている気がします。

無音状態でのホワイトノイズも増えてる気がします。

※ちなみに「ホワイトノイズが多い≠音質が悪い」です。

※人の脳はホワイトノイズを認識から外してしまうそうで、ホワイトノイズが増えたからといって音質が悪くなるということはないとのこと。

 

耳で聴いた感じではあまり変わった気がしません。

いわれてみればよくなった気がする、という感じです。

やはり私の耳はショボいようです…(苦笑


◇◇◇

 

次はちびおと追加です。

 

その道では有名な同人ハードで、スピークボードやPC-88のサウンドボードIIと同じADPCM再生機能を86音源に追加するものです。

OPNA自体にADPCM用メモリを制御する回路が内蔵されているので、ちびおと自体はDRAMと制御信号反転用インバータが載っているだけのもののようです。

 

以前私も自作しようと思ったことがあるのですが、SDIP用のリードフレームが手に入らずあきらめました。

ちびおとのマニュアルにも復刻にあたって一番調達に苦労したのはこのリードフレームだったとあります。

結局4万本入りリールを買ったんだとか。

余っていたら私にも適価で分けてほしいです(苦笑

【5/29追記】

SDIPのリードフレームに使える部品が見つかったので自作のADPCM追加基板に変更しました。

記事はこちら

【5/29追記終わり】

 

閑話休題。

 

まずはちびおとの土台となるYM2608を外します。

 

〇YM2608除去

 

ここにICソケットを付けます。

 

〇ICソケット実装後

 

YM2608とちびおとを載せます。

 

〇YM2608とちびおと装着後

 

これでちびおと追加が完了しました。

 

ちびおとのマニュアルにはYM2608の脚にちびおとを半田付けするよう書かれているんですが、ICの脚にこういう半田付けをすると元に戻そうと思ったときに非常に苦労するので、私はICソケットに同時に差し込むという方法をとりました。

YM2608は動作中結構熱が出るので、ちびおととYM2608の間に隙間を開ける必要があります。

隙間を確保しつつICソケットに同時挿しするのはちょっと苦労しました。

(元々直接はんだ付けすることを想定している基板をYM2608の上からICソケットに挿そうとしている私の方法がよろしくないだけで、ちびおとの不備ではありません。念のため)

 

SDIPのリードフレームが手に入れば、いつも私が改造するときにやっているような信号乗っ取り基板を作るのでリードの長さが心許なくなることはないんですが…。

 

さて、ちびおと対応しているFMPでどう認識されるか確認してみます。

 

以下、スピークボード、86音源ちびおとなし、86音源ちびおとありの順でFMPを起動したときの常駐メッセージです。

 

〇スピークボード(PC-9821Xa13に搭載)

 

〇86音源ちびおとなし(PC-9821Cs2内蔵)

 

〇86音源ちびおとあり(PC-386GSに搭載)

 

ちゃんとそれぞれ区別して認識されてます。

 

なおPPZ8を使うには力不足だったPC-386GSですがちびおとありの86音源では問題なくPCMパートも再生されました。

ADPCMのハードウェアデコードの力は偉大です。


以下個人的備忘録

 

外したXRU4066はちびおとが入っていた袋にちびおとのマニュアルと一緒に保管。

荷姿はこんな感じ。