ディッキー・ジェームズへのインタビューの最後です。
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Q. パフォーマーたちは極度の精神力と身体能力を披露しています。パフォーマーたちに求めている特徴は何でしょうか?
DJ: 彼らのバックグラウンドは演技とダンスなんだ。私たちは感情面で大きな振り幅があるパフォーマーを好んでいる。実にソフトで緻密な表現から、突然ワイルドでパワフルでクレイジーになれるようなパフォーマーたちだ。彼らは身体的に強くて、身体コントロールが出来なくてはならない。とても重要なことなのだが、曲芸師(アクロバット)ではないんだ。このショーは曲芸ではないのだから。全く別のものだよ。

Q. フエルサ ブルータはその壮大なセットと演出法で有名です。セットのアイデアはどこから生まれ、組み立てられるのですか?
DJ: まず始めに、私たちは芸術的な視点で感情面の到達点を理解しようとする。私たちはとても素晴らしいテクニカル・チームに恵まれているんだ。アレハンドロ・ガルシアがテクニカル・ディレクターとして率いるチームは20年も一緒に働いている。私たちは一緒に発展し、独自の言語で成長し続けている。例えば、行おうとしている技術が全く異なる時、私たちはそれらの変更点と新たな技術で一緒に成長する必要がある。また、私たちの倉庫で全てを作ることは自分たちが製造業者となり、そこから発展する余地があるからなんだ。私たちの安全基準は非常に高いし、独自のセットを作ることが好きなんだよ。セットに関して常に繋がっていたいんだ。私たちは普通のものは使わないからね。セットを外注したことは一度もないんだ。全てを創り上げる———これは芸術面のプロセスでもあるんだ。

Q. 10年前と比較して、現在と未来のテクノロジーの可能性がもたらすことについて、あなたをかき立てるものはなんでしょうか?
DJ: テクノロジーに対して興奮するということはないよ。私たちのテクノロジーが良いところは、観客にはそれが伝わらないということ。私たちは人間が行うことを大事にし、人々が人間の持つ原始的な感情とショーが繋がることができるようにシンプルにしたいんだ。ランニング・マシーンで走る男———これはとてもシンプルで、これこそが私の求めるものだ。観ている側に、ランニング・マシーンをどのように調整し、どれくらいの力が必要なのか、また壁をどのように突き抜けるのかなんて考えさせてはいけない。一生懸命走り、全てを突き破る男は、見ているあなたと同じ人間だということを感じて欲しいからね。

Q. この作品において次のステップは何でしょうか?あなたの狙いは?どこに向っているのでしょうか?
DJ: 私はこの言語を発展し続けていきたいと思っている。深刻になりすぎないようにね。私たちが若い頃は、こういったことを始めても誰も期待しなかったし、他の人が好きそうなアイデアと対立してきた。だから未来においても、やりたいことをやり続け、人々が期待することを避けていきたい。これは大きな挑戦だと思うよ。なぜなら私たちは世界中で成功してしまった。みんなの期待を裏切る恐怖を感じてしまうからね。だから深刻になりすぎないように、自由にやりたいことを楽しみたいんだ。

ディッキー1