コロナウイルスについて(スペインの対応を見て) | スペインリーガー山下裕生オフィシャルブログ

コロナウイルスについて(スペインの対応を見て)

Hola

 

皆さんお久しぶりです。

 

こうしてブログを書くのも久しぶりで、いろいろと書きたいことはありますが…今回はタイトルの通りコロナウイルスについて。

 

僕のいるスペインでは当初、対応はとても楽観的でした。

中国では発生したウイルスが大変らしいよ、イタリアで感染始まったらしいよ、スペインでも感染者出てきたみたいだよ。

そんな感じで始まって今の状況、日本の僕が知っている人、僕を知っている人にだけでも届いてほしい、現状を楽観視しないでほしいと思い、書いていこうと思います。

 

3月11日の水曜、週末の自分や子ども達のリーグ戦のことや、翌日の練習のことを周りと話したり、普段通りの生活。

 

明けて3月12日の木曜、練習が中止になると連絡があり、親御さんから週末の試合について聞かれたり、翌日金曜のトレーニングはあるのか、こちらもまだ何も連絡がないからどうなるかわからない状態。サッカー1部は無観客試合でやるみたいだし、まあどうにかやるでしょ。

 

3月13日金曜、この地域のスポーツクラブが活動を自粛し今後どうなるかわかるまで自粛継続と発表、自分の勤めるクラブも同じくそれを発表。うーん、まあすぐ落ち着くでしょう。マドリードは教育機関が休校らしいね、どうするんだろ。この町での最初の感染者が現れる。マドリードから帰省してきた方らしい。

 

3月14日、スペイン政府による非常事態宣言が発令、15日よりスポーツ施設などの閉鎖や在宅勤務が始まりその期限は15日間。結構大事になってきたね、でも15日間だけなんだし仕方ないね、頑張ろう。

 

3月15日、留学生と共にいらしていた親御さんを空港に送り届け拠点に戻ってくる。高速全く車いない、町は歩いている人や車も通っているし、外出制限なんて言ってもそんなもんか。いつもの日曜日。

 

3月16日月曜、スーパーや薬局に人が並ぶ。入るために1メートル間隔で列を作り入場をコントロール、なんだか品物の数がいつもより少ないな。行きつけのBarも閉まってる、これから2週間これが続くのかー。

 

3月17日、改めてスーパーへ行く、肉がほぼない。空っぽ。鮮魚コーナーに人だかり、卵もない、缶詰や冷凍ピザ、出来合いの食品を買い帰宅。マスクをつけている人が増えてきた。

 

3月18日、イベリア航空が直通便の一時運航休止を発表、19日と21日の便がラストという連絡。短期留学の子が帰国の決断をし、21日の便を購入。外出制限が本格的に警察や軍の指揮下におかれ、不要不急の外出に罰金や留置所行が出るように。

 

3月19日、21日の便が欠航となることが決まる。親御さんと相談、下手に乗り換え先でどうなるかわからない状況に飛び込むよりは、僕の下で待機している方がいいと結論。あと一週間と少し。この町での最初のコロナウイルスによる死者が出る。

 

3月21日、いつも通り起床。指導者の勉強をしている中、自分のスペインでの養父からお母さんが危篤だと連絡。僕にとってはスペインでのお祖母ちゃん。病院に会いに行くことを決断、初めてマスク着用。人気のない町を通り病院へ、名前と部屋番号を受付で伝え、一部屋に一人しか入室できない旨を聞く。お祖母ちゃんは隔離などされておらずコロナではないようだ、苦しそうな彼女に泣きそうになる。長居は家族以外は許されておらず、自分の国籍が歯痒い。別れを告げ、病院を出る。帰りの道で検問をしていたが、逆の道路だったため事なきを得る。

 

3月22日、お祖母ちゃんが頑張っていると聞く。非常事態宣言1週間経過。非常事態宣言が2週間延長するというニュース。4月15日まで外出制限が決まる。

 

3月23日月曜、スーパーに買い出し、マスク着用。手に消毒液をつけるよう言われ、入場。肉類は補充されているものの、どこかしらの棚がほぼ品切れ。田舎町であることが唯一の救い。

 

3月24日火曜、なぜか早く目が覚める。なぜだろう。養父からお祖母ちゃんが亡くなったと言われる。きつい。日本の祖父が亡くなった時は全てが終わり1ヶ月ほど経ってから連絡されたため実感わかず。身近な存在がいなくなる気持ちを知った。

非常事態宣言のこと、同居する子たちのへの責任も考えTanatorioと呼ばれるお別れをする場所に行けないことを養父に伝える。彼も辛いはずなのに、自分の責任を全うする、という僕を誇りに思うと言ってくれる。自分はもう彼とお祖母ちゃんの本当の息子であり孫だと言われる。涙が止まらない。

 

3月25日水曜、お祖母ちゃんのミサが行われる、昨日までとは打って変わって晴れ渡ったいい天気。書類上は家族でないため参加できず。非常事態宣言の状況を恨む。なんだか何も手につかない。

 

3月26日木曜、養父からビデオ電話。笑顔が見えて心の底から嬉しい。と同時に、傍で支えれない悔しさを感じる。いろんな話をして、思い出を分かち合う。

 

3月27日、スーパーへ、消毒液に加えてビニール手袋着用を義務付けられる。レジには透明なアクリル板のようなものが置かれ、店員さんとの遮蔽物が出現。養父とビデオ電話、お互いの近況を話し合う。

 

3月28日、今日。養父と留学生によるグループでのビデオ通話。養父ももういつも通りのようで、一安心。スペイン政府より、30日から4月8日まで本質的な仕事以外の全ての業務をスペイン全土で停止することが発表された。スーパーや薬局などはいつも通りらしい。

 

 

今日までのことを振り返りました。

書いてある通り、最初はとても楽観的でした。

だけど、マドリードの人々が一斉にバカンスと勘違いして遊びに行ったり、帰省したり、そうした行動が拡がった結果地方でも増えはじめ、現在は全国的に感染者が増加し続け、死者も同時に増えています。

一応、今日のデータによると感染者の増加は減少傾向にあるらしいですが、本当にそうであるのか…。

 

今、日本でも”週末”は外出を”自粛”してください、となっていると聞いています。

あくまで自粛だから遊び歩いても大丈夫、在宅勤務になるし実家にでも戻ろうかな。

 

このスペインでの現状を見て、知って、もう一度よく考えてみてほしい。

今良かったとして、その自分の行動が後々何を招くのか。

 

少しでも僕の経験が皆さんの参考になればと思います。

 

それでは、皆さんに元気でお会いできることを祈って。

 

Yuki