『岸田國士を読む。夏』 終演 | ガランリンの脇台詞 *わきぜりふ*

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伽藍琳(ガランリン)のブログ

昨日無事、『岸田國士を読む。夏』終了しました。
急激に秋の気配が感じられた雨の水曜に、お越しくださった皆さま、気にかけてメール等々くださった皆さま、本当にありがとうございました。

私達のグループ<チーム井上>のプロデューサーである南谷朝子さんが、「今までになく後味が難解な2作品(「麺麭屋文六の思案」と「感化院の太鼓」)を敢えて選択した」とおっしゃっている通り、後者は特に解釈が難しくて、最初は本当にどこから切り込んで行ったらいいか全く分からず、どうしようか途方に暮れた。でも、何度も皆さんと一緒に読んでいくうちに、こうかもしれない。ん?こんな気持ちにもなるぞ。と少しずつ解けていく過程がとても面白かった。で、最終的に、きっとこうかな。と一つの答えを出して本番に臨んだものの、本番の2回のステージでまた、ん?こんな気持ちにもなってしまった。と、新たに呼び覚まされた感情を確認したりして、、、

人間同士の心の機微って、端的に言葉で説明するのは難しい。ある瞬間を切り取ってみても感情は一種類じゃなくて、確実に色んな思いが心の中に存在していて、そのブレンド具合は人それぞれ時それぞれ。そんなことを、今回岸田國士の作品を読んだことで、改めて実感しました。
そのおかげで、何だか自分自身の実人生でも解りかねていた感情も、少しだけ解けた気がします^^

「麺麭屋文六の思案」の おちか(17歳!)、「感化院の太鼓」の 海老子夫人(こっちはjust私の年齢)という役と出逢えた事、本当に良かったです。

たった一日の本番でしたが、とても濃い時間でした。私が今まで接してこなかった世界を沢山経験していらっしゃる方々とご一緒させていただいたことで、色々な感覚が刺激され、また、沢山の宝物になるようなお話を聞くことができました。演出の(井上)思さんや共演の皆さん、そして、何より、今回の出演のチャンスをくださった(南谷)朝子さんに、心から感謝します。

味のある俳優は人間としても味がある。味わい深い豊かな人間になれるよう、これからもコツコツがんばります。

岸田國士は難しい!しかーし!面白い!黙読するだけじゃなく、またこういった企画で読んで、そして演じてみたいと思っています。

私達のグループは、今回の岸田國士を読むシリーズのラストバッターだったので、昨夜でこの夏のMANDALAプレゼンツ岸田國士の世界も終了。昨夜はシリーズ全体の企画制作にも携わっている青柳敦子さんにもお会いすることができました。念願のMANDALA初出演も果たすことができたので、今度はここで歌いたいな~♪


舞台稽古中のひとコマ。↓