【9/28、朝8時過ぎ追記】

ミャンマーで軍兵士に射殺された方々、そして日本人ジャーナリスト長井健司さんのご冥福を心よりお祈りします。

長井さんが無抵抗の僧侶・市民のデモ集団の中で、至近距離から無抵抗のまま、若い様子の兵士にあまりにも簡単に射殺される映像を見ました。

ご自身とご家族知己のご無念さを思い、人間を簡単に狂わせる異常事態に対する怒りがいっぱいです。

「暴徒と化した民衆」などという意味のない口実に元に暴力を正当化する軍の理論にはいかなる正義もありません。

【ここまで追記】


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世間から隔絶されている時間が長く、ミャンマーの弾圧も、テロ特措法をめぐる駐日大使11人を動かした画策も、教育再生会議の継続にアベ氏が安心したらしい ことも気がかりで仕方ないのですが、今、何事についても、新たに広く知るための「まとまった1時間」が取れません。


泉田新潟県知事からの、柏崎刈羽原発の廃炉を視野に入れた発言があることを知りました。

NHK新潟ニュースファイル  (07/9/27)

”原発 廃炉も”泉田知事


県議会では各会派による代表質問がはじまりました。
泉田知事は、中越沖地震で被害を受けトラブルが相次いだ柏崎刈羽原子力発電所について、「被害状況の調査結果によっては原子炉の廃炉もありうる」と述べ、東京電力に対して徹底した安全性の調査を求めていく考えを示しました。

代表質問ではまず、自民党の三林碩郎議員が、中越沖地震で柏崎刈羽原子力発電所が耐震設計を上回る揺れに襲われ、大きな被害が出ていることから今後の対応について見解を質しました。
泉田知事は「新潟県としては東京電力に対して地域の了解なしに運転再開を行わないよう求めている。柏崎刈羽原発に対する今後の対応はいまのところ白紙だが、被害状況の調査結果によっては原子炉の廃炉もありうる」と述べ、東京電力に対して徹底した安全性の調査を求めていく考えを示しました。
(略)



新潟日報 原発「廃炉あり得る」と知事


 中越沖地震で7基すべてが停止し、被害調査が行われている東京電力柏崎刈羽原発について、泉田裕彦知事は27日、「調査結果によっては廃炉もあり得る」との認識を示した。県議会9月定例会の代表質問で答弁した。泉田知事が公式の場で同原発の「廃炉」について言及したのは初めて。

(略)

 県は地震翌日の7月17日、県の同意なしに運転を再開しないよう東電に申し入れており、知事は「地域のコンセンサス(合意)がなければ、(再開へ向けた)議論のテーブルには乗れない」と強調した。

 また国の調査・対策委員会に対しても「安易に再開に向けた議論をするのではなく、徹底した検証をしてほしい」と注文を付けた。

新潟日報2007年9月27日

泉田知事は、エネルギー畑の官僚ご出身とお聞きしました。

古巣とのしがらみも限りなくあることでしょう。

ただ、これからも、「コンセンサスの形成」で地域に無理を通すことなどをせず、本気で注文をつけ続けることを強く願います。

ここでの本気とは(僭越ですが)、検証の結果、事が柏崎刈羽だけに留まらない事態になってもひるまずに信念を貫いていただきたい、という意味をこめています。


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設定しているニュースアラートによれば、柏崎刈羽原発の1号機(沸騰水型、1985/9/18~の稼動)では基幹部品の損傷が見られたということです。


読売 柏崎刈羽原発1号機、揺れのため炉心機器の一部損傷

 新潟県中越沖地震による柏崎刈羽原子力発電所の被災状況を調べていた東京電力は27日、地震当時に定期点検中だった1号機で、原子炉から取り外していた機器の一部が、揺れのため損傷していたと発表した。

 東電によれば、原子炉の機能などに影響はないという。

 損傷が見つかったのは、炉内で発生した蒸気の水分を除く「気水分離器」。定期点検中は、圧力容器から外して隣接するプールに入れ、4本のステンレス製の脚(直径約8センチ、長さ約30センチ)で支え保管している。

 東電が水中カメラで点検したところ、脚4本と、分離器を再び炉内に装着する際の位置決めに使う2本の金属ピン(直径約9センチ、長さ約25センチ)が、すべて曲がっているのが確認された。

 東電によると、2003年5月の宮城県沖地震の際にも、福島第一原発2号機と4号機で、同様の損傷が発生し修理をしたという。

 また、東電は同日、新潟県中越沖地震の発生に伴い緊急停止した柏崎刈羽原発7号機の炉心点検を、10月2日から始めると発表した。地震発生時に稼働中だった炉心の本格点検は、7号機が初めてとなる。

(2007年9月27日19時53分 読売新聞)

・定期点検中で取り外していた部品の問題だから、炉に影響はない。

・過去にも他の原発でそのような損傷はあった。


こうすると、いずれも道理は通っているようにも見えますが、定性的な面でしか事実が語られてない点には疑問が生じます。


建屋にあった基幹部品が破損したことやその他の点検結果から、損傷に至らしめた力が推定されたり、そこから炉の本体側のダメージは最大・最小でどの程度であると見積もられるか、などという議論はなかったのでしょうか。


そして、福島第一原発で「同様の損傷」があった、としていますが、結果としての破損状況だけでなく、どの程度の定量的な根拠(揺れによる動的負荷・静的な負荷などと破損状況)の類似性も鑑みた上で、「だから経験済みで安全」として例示できるのか・・・などです。


あるいは、以下のように「仮置き用のピンの損傷についてはそこまでの検証が必要ない」のだとしたら、根拠が知りたいところです。

TEPCO 当所1号機における炉内点検(フェーズ2)状況について  (PDFです)


(略)

○点検結果
原子炉上部および原子炉中間部ならびに定期検査のために取り外し、機器仮置きプールに仮置きしていた蒸気乾燥器については、昨日までの点検において損傷・変形・脱落などの異常は確認されませんでした。
蒸気乾燥器と同様に定期検査のために取り外し、機器仮置きプール内に仮置きしていた気水分離器について、本日、点検を実施した結果、仮置き用の脚部(4本中4本)と原子炉内へ設置する時に位置を決めるためのガイドピン(2本中2本)に変形を確認いたしました。仮置き用の脚部とガイドピンは、気水分離器の補助的な設備であり、機能や構造に影響するものではあり
ません。
また、気水分離器の仮置き用脚部の変形に伴い機器仮置きプールの床面にキズが確認されておりますが、当該箇所からの水漏れは確認されていません。

一般論としては、どんなタイプのプラントであっても、きわめて軽微な事故発生のリスクまでをも完全に撲滅することは実質不可能(むしろそれをゼロにしたと宣言することで、判断停止が発生する)だろうけれど、こと原発になると、「反対派」の意見に対応することが煩雑だから、という思いがあるのか、開示された情報に論旨の飛躍を見ます。

それとも、その見方も、ひとえにこちらが過敏だということでしょうか??


まず、燃料の調達リスクという入り口の問題、そして言うに及ばず定常稼動の安全性問題・災害時の無策(活断層の上に建てていないとする)、処理の目処の付かない高濃度廃棄物と核燃料サイクルの強引さという出口側の問題、廃炉を認めようとしないあり方、ライフサイクルの全てに危険と不当さが内在しています。

それでも、ビジネスチャンスとしての推進を求めるようとする人々の発表する、定量的な情報すらない安全性への主張は、信じろということが土台無理です。


「人を人と思わない」思想の上に立脚するテクノロジーに継続性はありません。


【上記点検結果のPDFより: クリックで拡大します】
070927気水分離器点検概要


参考: 気水分離器の開設は以下をご算ください。


◆原子力百科事典 ATOMICA 気水分離器

◆日立のページ 日立原子力 炉内構造物  (加圧水型)



UNPLUG KASHIWAZAKI-KARIWA

引き続き、柏崎刈羽原発停止への署名をお願いいたします。


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