「WORLD WAR Z」「STARTREK」観たぞ。 | オッサン君の映画DEぼーん!

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「WorldWarZ」はブラぴのゾンビ映画。
この監督って前何撮ったんだっけ?
結論から言えば、両映画とも十分に面白かったな。
下馬評では「28週後」にはかなわんとか言われてたけど、
「ゾンビのベテラン」として言わせてもらえば(笑)十分面白ったです。
見識が低いんやろか(苦・・)

これ、所謂「ゾンビ映画」とカテゴリーがちゃうよなあ、
感心するのは、「まだ」ゾンビ映画の切り口が残ってたか、ということですな。
「パニックアクション」だもん。

ゾンビって基本「ホラー」か「スプラッタ」だったんで、
そこに「感染」というパニック要素を持ち込んだのが「28日後」。
猛速のゾンビって言えばここから「ドーンオブザデッド」に繋がるけど、
どちらも「ロメロ印」の老舗ゾンビにリスペクトしてるし、
「速い」けど、ロメロ(トロい)ゾンビの流れの末端に繋がっていると思う。

ところがこの「ゾンビ」、
その物量の凄まじさは一匹一匹のゾンビではなく、
「ゾンビという集団」がモンスターとして襲ってくる、
だからカテゴリーとしては「ゴジラ」とか「2012」なんかの方が近い。

前半のアクションカットの割り方とかシナリオとか文句言えばキリがない
(たとえばイスラエルシークエンスの、「壁」の外をヘリが飛んでるのに、
壁をゾンビが上がって来るの気付かなくてブラぴが気付く、とか。笑)
けど面白いのは確かじゃないかな。

それにしてもロメロ先生はこういうハリウッド製のゾンビ観てどう思ってるのだろう。
全く「ロメロと関係ない」ゾンビ。
(好きな監督って、クロサワにしてもテリーギリアムにしても何故かハリウッドに干される。ロメロも確か喧嘩して、介護サルが人襲う(笑)映画撮ってたっけ)

ゾンビと言えばある種「哲学的」問い掛けが隠し味で一番大事だったりするんだけど、
最近のバイオハザードあたり以降、単なる「ゲームキャラ」化してるような気がする。

「人じゃないもの」つまり「ゲームのキャラ」であれば
「いくら殺してもキリがない」モノ、モンスター。
まさにその概念の発展系がこの映画の「怒涛のゾンビ塊」なのだ。

だから、「人だった」という葛藤もいとも簡単に捨て去り、
「ゾンビ」という別の「化け物」として処理する感覚、
これがいかにも「ゲーム」的なのだ。

しかし本家ゾンビ本舗のゾンビは、「元、人であった」ことに拘るし、
そいつが「別のもの」になったのか?と問い掛けている間に「食われちゃう」という、
カニバリズムとか文明批判とか一見ホラーと相容れない要素を匂わせていたのが秀逸で、
その癖結局はやっぱりただのスプラッタのゲテモノ(笑)って辺りが
「タブー破り」のパンク性と相まって私などはストライクにハマったのだった。
だからこそロメロゾンビの「ゾンビ狩り」のシーンには強烈な人間批判が見えたのだ。

さてもう一本、「スタートレック」。
言うまでもなく「宇宙大作戦」なんだけど、
そーか、そっちを知ってる世代がもう映画館に足を運ばない時代なんだね・・。

こっちのJJ、この男、なかなかの商売人で。
元嫁と娘などは「LOST」や「フリンジ」で散々コケオドシに遭ってJJ全然信用なし(笑)。
娘はカンバーバッチ様の大ファンってことで観に行った。

「バランス感覚」いいよなあ、金取れる男だなJJ。
往年のトレックファンにもちゃんとアピールするサービスはある、キャラもちゃんと守ってる。ドクターマッコイなんかよく「本家」に似た役者探してきたなあ(笑)。
ちょっとスポックが冷静さと頑固さが弱いから、泣いたりブチ切れるのはイカンね。
若気の至りかJJ(笑)。シナリオに工夫がいるよ。

娘たちは悪役カンバーバッチにご不満で、ぶつくさ言ってたけど、
前半誰よりも恰好よかったじゃん。
でも、下馬評で「ダークナイト」のジョーカーに匹敵する悪役、とか誰か言ってたが
それは全く言い過ぎ。
ぜーんぜん比べ物にはなりません。

その点を言えばカンバーバッチ、確かに勿体ないです。
多分もっと深い役どころに練り込んでたら十分匹敵出来る実力はあった筈。
ここは「商売人」が裏目に出たなJJ。

まあ両者ともに「リーク」か「プロパガンダ」の臭いがプンプンするけど(トレックのファーストシーンの星の名前とかね)

それにしても、ジョーカーのヒース・レジャーといい、ブラックレインの松田優作といい、伝説になる悪役を演じると死んでしまうのは何故でしょう・・・。