トリチウム・・じゃねえや、「エリジウム」。観たぞ。 | オッサン君の映画DEぼーん!

オッサン君の映画DEぼーん!

映画に愛を!
ゴジラから2001年宇宙の旅まで。
古今東西、思う存分映画を語るもんねっ!
愛と怒りをこめて、カーツ1発!
(独断偏見ごめんくさい!!やな人はスルーのコトよ!)


監督は、「第9地区」の新人で、
それがなかなかセンセーショナルな面白さだったから、今回の抜擢だとか。

メイキング見てると割と低予算なのかな?(勿論ハリウッド映画基準で)
最近はCGがスゴイから、「仕込み」で予算がおおよそ読めた一昔前とは隔世の感がある。

その「エリジウム」ってのが富裕層の暮らす楽園なんだが、
その設定(地球上は貧乏たれだけが住むスラムと化してて荒廃し切ってる。)
見ると、「リーク」映画と陰謀論者に指摘されてる
「ハンガーゲーム」と背景設定は似てるわけ。

だからこの映画も「そのつもり」で観に行ったのだが、
どーなんだろね(笑)。

あ、ちなみに、
「そんなリークだのサブリミナルだの、陰謀論に過ぎない」
って馬鹿にする向きはちょっと現実を知らなさ杉ね。
現実はもっと怖いし深い闇なのだよ。

・・ちょっと脱ちょう・・じゃねえや、
脱線しそうなので元に戻すけど、
この監督、やっぱり「若い」んだろうね。

若い監督共通で特有のアクションセンスがこの人もそうで、
やたらカメラを振ってそれもアップで振るから
何がどうなったのか分かり辛いのよ・・。
あれ、嫌いやわあ。

お前は深作欣二か、ってくらいカメラを手持ちで振るんだけど、
深作のそれは、

当時のカメラでそんなに寄ると手振れで被写体が見えなくなっちゃうから、
寄れる限度があった。
それでも振るもんだから、
結構躍動感と臨場感は出たってわけだ。
(個人的にはあんまり好きじゃない)

ところが今はステディカムというスグレモノが出たお陰で、
何かというと固定せずに手持ちで撮っちゃう。
アクションシーンなんかぶんぶんカメラ振り回すもん。
おまけにカット割りもやたら速いから、
さらに分かりにくい。

そこにデジタルなんで編集も細かいこと出来るんで、
その速いカットの合間にハイスピード(スローモーション)挟んだりするから、
目まぐるしくて目が付いて行けない。
俺が年だからか?!

・・・まあいい、
とにかくストーリーも何だかやたら「端折ってる」感があるのは、
展開をだれさせないためだろうけど、
これも「若気の至り」が見えたな。

悪役のジョぢフォスター、
ちょっと演技が下手くそになったんじゃ・・?
単に手抜きか?それともシナリオが悪いか?
どーも台詞が浮いて聴こえるんだな。

芝居もやりにくそうに見えたし、
実際つまんない役やったし。

一番いただけないのは、キラーエリートのおっさん。
こいつの軍団が出て来て話はヒートアップすんのかな?
と思ってたら鬱陶しいだけ(笑)。

残酷なサイコキラーな割りに嫁欲しいとか言うし、
中途半端なキャラがウざい。
この軍団が出るたびにテンション下がってしまったわ。

どうせ顔面吹っ飛ぶえげつない余計なシーン入れるならそのままにしときゃよかったのに。
軍団の部下が人質に声掛けるシーンのスカスカ具合は、
織田ユージの「ホワイトアウト」で、
人質の松嶋奈々子が呑気にサンドイッチ作ってると
テロリストが話し掛けるくだりを思い出した。

とは言え、やっぱり「リーク」要素は満載で、
その設定だけじゃなく、手に焼き付けるバーコード、
警察は全部ロボットで、貧乏人はひたすら工場労働、
そんな辺りも「SF」というよりは陰謀論で実際に言われている「近未来像」に過ぎない。

奇しくも、先日NHKのクローズアップ現代で、
米軍の開発してる軍事ロボットやテクノロジーを紹介していたが、
そこで危惧されていた「ロボットによる人民管理」
がそっくりそのまま登場する。
かなーりそのヘン、臭いのだ。

まるで「これから本当にこうなりまっせ」的な。
でも、そうだとしたらちょっと首を傾げたくなるのは、
主人公を捜索するのにいちいち先のおっさん軍団が登場しなくても無人機で十分だし、
今現実の方がそうなってる。

まあ、面白くなかったわけでもないが、
面白かったかと言えば

せいぜいエリジウムのビジュアルが綺麗だったぐらい?
・・とりあえずもう少し人物設定描こうよ。

あと、おっさん、絶対余計やったでー(笑)。