クリアリングセール | オーストラリアの360万坪の牧場から ~Gibraltar~

オーストラリアの360万坪の牧場から ~Gibraltar~

隣の家まで車で15分。
一番近い町まで車で片道40分。
生活用水は雨水と川の水。
そんなオーストラリアの田舎にある360万坪の牧場を経営しています。
日本ではあり得ない日常の様子をお届けします。

寝れないのでブログを更新しようと思います。

どうして眠れないのかと申しますと、明日から一週間高確率で雨の予報で、降水量もそれなりに期待できるという事だからです。

まさに気分は遠足の前日の小学生の気分。雨が降ったら何をしようか考えてるとドキドキしちゃいます。

家にいてゴロゴロするのもいいなぁ。散らかった物置を片づけるのもいいなぁ。機械の整備やら溶接やらも良いなぁと考えているとワクワクしてきてなかなか寝れなくなってしまう。
まったく昔から意外とオトメチックなんですよ実は。

しかし何度も言うように雨が降らない。今年の夏は去年より酷い。去年雨が降らなかったから牛の為の溜め池もそこらじゅう枯れています。

現在20個近くある人工の池も殆どが枯れていて、残るはあと3つ。はっきり言って牧場の真ん中にある川が無ければ牛を飼っているどころではなく、最悪の場合廃業も見えてきてしまいます。

逆に言うと、今回の雨予報を外すと廃業も見えてきてしまうという事です。ちなみに、先週は降水確率90%の日が4日ありましたが、全て外れました。

その命の水の残る川も大分前から流れが止まり、今は水たまりが点々と残るだけ。

明日からの雨予報は雨と言うより嵐に近い為、少々うるさかったり、激しかったりするかもしれないけど、川や池の水は溜まりやすい。

シトシト降る雨は土に染み込み、草が生えるのにはもってこいだけど、嵐の場合は大粒の雨が激しく地面を叩きつけて、吸収されるまもなく川や谷に流れ込む為、人工池は瞬く間に溜まる事もしばしばあります。

正直に言って、この現実を毎日見るのはとても辛い。日に日に少なくなる水や、痩せていく牛を見るたびに本当に心がやられてストレスが溜まります。

現実から目を背けたくなり、旅行に行ってしまおうかと考えてしまう事もしばしばあります。でも、必死に生きる牛を見捨てるわけにはモチロンいかないし、そんな事は出来ない。

じゃあ、空いた時間に買い物ついでにクリアリングセールにでも行こうと家族を連れて気分転換に行ってきました。

クリアリングセールとは以前も記事にしましたが、牧場が売りに出た際にその牧場で使っていた機械や家具、細かい物から大きい物まで売ります。というオークション方式のセールです。

まずは受付で入札するための番号札をもらい、他の人と自分の目当ての商品を競ります。大体の商品は新聞で告知されますので、先に欲しい物をチェックしてから会場に向かいます。

今回は2つの商品が欲しかったため、時間より早く行ってその商品がまだ使えるか、修理が必要かを下見しました。

結果から言うと、今回のクリアリングセールはハズレ。殆どの物がボロボロで、僕の欲しかった商品も半分使えないような状態でした。

物の扱いが良かった牧場のクリアリングセールだと、古い物でも十分に使える状態だったりするので、楽しみも増えるし、衝動買いも増えます。

また、他の楽しみ方として「とんでもない物を探す」という方法もあります。ほぼ100%と言って良い程、クリアリングセールには「とんでもない物」が売っています。

まず、今回のセールに行って一番最初に目についたのは・・・

倒木か?捨ててあるのか?売り物なのか?


盗撮気味に写真を撮った後、近くに寄ってみると、チェーンと桶が置いてあり、倒木の穴から犬がピョコッと出てきました。

そうです。これは売り物では無く犬小屋だったのです。なぜこれが売り物かと思ったかと申しますと、売り物は殆ど地面に置いてあります。

草の上にドサッと置いてあるだけ。細かい物はバケツに入っていたり、台の上に置いてあったりしますが、だいたいは草の上に置いてあります。

斬新な犬小屋に衝撃を受けた後、売り物を見て回ります。次に目に入ってきたのは・・・。

出ました!ベンチシート盛り合わせ



これだって誰か買うんです。穴が開いてたって、ホコリだらけだって誰かが必ず買って行きます。

こうやって色々な出品物を見て、時々お宝を見つけて。本当に楽しいですよ。
僕も雨が降らないストレスから少し逃れられた気になりました。さて、違う街に来た事だし、我が街には無いKFCでも食べて帰りますかぁ!

あっ、出口の前にfor sale



では、今日は雨音を楽しみますね。