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昨日、我が家に2歳になる甥っ子が遊びに来た。
車での道中、眠っていたらしい甥っ子は母親である義妹にだっこされてやって来たときは不機嫌で大粒の涙をポロポロと流しながら泣いていた。
しばらくすると落ち着いてきたので息子が使っていたミニカーやら何やらのオモチャを出してやるとすぐに機嫌を取り戻した。
いつもながら、子供のリカバリー能力には感心させられる。
おれは少しだけボール遊びの相手をして、あとは息子と彼の兄である小3の甥っ子に子守を託すことにした。
決して放置ではない。子供には子供の世界があるのだ。昨日アップデートしたiOS7のことが気になったわけではない。
気がつけば子供達は「モンスターズ・インク」のDVDを観ていた。
別にiOS7のあれこれに疲れたからではないおれはちょうどクライマックスにさしかかったドラマの後半を観るともなしに観た。
そして今さらながらこの映画に込められたメッセージに気付いた。
モンスターズ・インク - Wikipedia
『モンスターズ・インク』(原題:Monsters, Inc.)は、2001年に公開されたディズニーとピクサー製作の長編フルCGアニメーション映画。ピクサーの長編アニメーション作品としては第4作目となる...
上記引用したWikipediaの記事の通り、モンスターズ・インクの業務は子供達の「悲鳴」を回収してエネルギーに変換することだ。
しかし物語が進むにつれ、実は子供達の悲鳴よりも「笑い声」の方が何倍も何十倍ものエネルギーとなることが判明する。
劇場公開時に観たときはこの映画は「笑うことがエネルギーになるんだよ。だから泣いたりしないでいつも笑顔でいよう!」というようなメッセージなんだろうと単純に思っていた。
だが、昨日あらためてこの作品を観てもっと奥深い切実なものが込められているのだと遅ればせながらやっと気付いた。
この映画はファンタジーによる「現実」に対する異議申し立てなのだ。
描かれたモンスターの世界は紛れもなく今現在の我々の世界そのものだった。
「モンスターズ・インク」は多くの犠牲の上に成り立つエネルギー利権を握る者たちをファンタジーによって糾弾しているのだ。
「モンスターズ・インク」は我々に語りかける。
弱者の泣き声によって成り立つ世界なんてくだらないと思わないか?
それよりもみんなが笑っていられる世界の方が全然パワフルなんだぜ。
そう言っているのだ。
それでも大人たちはわけ知り顔で言うだろう。
いやいや、現実はそんなもんじゃないんだよ。そんな綺麗事でエネルギー問題は解決しないんだよ。いいから黙っていい子にしてるんだ。
もしあなたが同じような感想を持った分別ある「オトナ」だとすれば、それはあなたもまた誰かの泣き声をエネルギーにしている「モンスターズ・インク」の利権構造を支えている一員であるか、もしくはそれらに洗脳されているということだ。
目を覚ましなよ。
大きな目玉のマイク・ワゾウスキが笑う。
今、「モンスターズ・インク」のひとつがこの国で崩壊しつつある。