2:8の法則って本当? | 恵比寿で働く編集長のBLOG

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「20%の商品が売上の80%を稼ぐ」

ご存知の方も多いと思いますが、ビジネスコンサルなどが、売上分析を説明するさいによく用いる「2:8の法則」「パレートの法則」です。


これは、重点商品や重点顧客への対応の重要性を説明するのに、じつに分かりやすい説明だと思います。

しかし、ボクは常々、「2:8」は概念的なものにすぎず、科学的な根拠は薄いと思っています。
ちょっとキツイいいかたをすると、 「迷信」のようなものではないかと。


パレートは、社会全体の所得の多くは少数の高額所得者が稼ぎ出しており、その割合は多くの国でほぼ一定であると導き出したそうです。

しかし、パレートは本当に、「2割の○○が、全体の8割の~」という比率が、所得配分に限らず自然現象にもあてはまる、という説を唱えたのでしょうか? そんなことまでは言及していない、という説もあります。


数年前に、大手広告代理店(○報堂)のCRM研究チームの方に取材する機会がありました。

雑談で「パレートの法則」の話になりましたが、

「いろんな業種の顧客情報を分析したが、2:8の法則は見いだせなかった」 

とおっしゃっていました。


では実際のところ、日本の所得階層の上位20%の所得額は、国民全体の所得額の80%を占めているのでしょうか?


答えは 「No」 です。


日本の所得階層の上位約20%(年間所得600万円超)の所得が全体に占める割合は47.2%(※1)。
また、総務省「家計調査」の結果を分析すると、所得階層の上位約20%が占める消費支出の割合は35.6%(※2)。

「2:8の法則」が当てはまるとは言い難い ですよね。


(注1)国税庁の「申告所得税標本調査」(2005年)を使って、申告所得・源泉所得を合算した所得階層別データを求め、累積所得の分布を割り出した結果。
〔出典:第一生命経済研レポート2007.9〕
(注2)年収別の消費性向を所得に乗じて(年収×消費支出割合=消費支出額)、消費支出の累積分布図を描いた結果。
〔出典:第一生命経済研レポート2007.9〕


パチンコホールを例にあげると。
月間の客層別の稼働貢献度・粗利貢献度という興味深いデータがあります。(プレイグラフ2007年10月号55頁)
顧客データを月間来店回数別に分類し、「1~2回」をライトユーザー、「3~10日」をミドルユーザー、「11~20回」をヘビーユーザー、「21日以上」を超ヘビーユーザーと定義。構成比は下記の通りでした。


超ヘビーユーザー:4%
ヘビーユーザー:16%
ミドルユーザー:45%
ライトユーザー:344%


来店頻度の上位客の月間稼働貢献度(遊技時間総数の割合)は80%を占めているのでしょうか? また、月間粗利貢献度は高いのでしょうか?


結果は 「No」 です。


上位20%(超ヘビーユーザー+ヘビーユーザー)の稼働貢献度は52%。粗利貢献度は106%
※粗利貢献度は、パチンコ営業ならではの結果ですね。小売業ではまずありえない数字です。


もっとも、
「来店頻度下位の34%が粗利全体の77%に貢献している」という新発見はあります。
ですが、「2:8の法則」とは言い難い...。


さて、「2:8の法則」に当てはまる事例はなにかありますか?
ご存知の方は教えてください!