西村眞悟の時事通信(我が国の防衛力と災害派遣の教訓 平成26年4月12日号) | My Flame

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西村眞悟の時事通信
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我が国の防衛力と災害派遣の教訓
No.959 平成26年 4月12日(土)

 再び、空いた時間をWiLL誌の原稿書きに投入していたので、本時事通信書き込みに間が開いてしまった。
 
 けれども、その間、国会では、
 集団的自衛権の行使できないケースと行使できるケースの検討に加えて、行使できる地理的範囲と行使できない地理的範囲の検討に入っているようだ。
 これは議論しているようで、その実「空白」。
 税金の無駄使いを通り越して、
 議論自体が国家のもつ抑止力を減退させる利敵行為であり、
 くだらん論議を通り越して国家に有害な論議と断定しておく。
 
 本日の産経抄は次のように締めくくっている。
「保有すれど行使せずとおめでたいことを言っているのは、世界広しといえども日本しかない。与党はくだらない論議にさっさと区切りをつけ、経済対策に全力を傾けるときである。」
 そこで、「さっさと区切りをつけられない」のなら、
 それは、与党の構造が「反国家的」であるからであり、
 安倍総理は与党構造のリセットを決断すべきである。
            他に何をか言わんや、以上。

 次に、かねてより指摘しておきたいと思っていたことを書くことにする。それは、災害派遣の経験と防衛力強化に関することだ。

 概観するに、昭和三十四年の伊勢湾台風、平成七年の阪神淡路大震災、同二十三年の東日本大震災、同二十五年の伊豆大島豪雨そして同年のフィリピン台風被害への救援活動等、巨大災害に対する救助救援活動は全て海から開始された(もしくは、開始されるべきであった)。
 伊勢湾台風は、水没した集落にいる人々をアメリカ海軍のヘリ空母が大活躍して救出した。
 阪神淡路大震災でも、アメリカは空母インディペンデンスを神戸沖に派遣しようとしたが村山富市が断った。これが救助救援活動を遅らせた。被害の拡大は計り知れない。人命に関わる総理大臣の犯罪である。
 東日本大震災と伊豆大島そしてフィリピンへの救助救援活動が如何にして行われたかはご承知の通り、海からである。

 去年の伊豆大島とフィリピンの大災害には、ともに海上自衛隊の輸送艦おおすみ(実は、ホーバークラフト搭載のKST揚陸艦)が派遣されて活躍した。
 特にフィリピンのレイテ島を中心にした自衛隊の国際緊急援助活動は史上最大規模であり、その実績は次の通り。
 派遣隊員数 約1180人
 診療 2646人
 ワクチン接種 1万1924人
 防疫活動 約9万5600平方メートル
 物資空輸 約633トン
 被災民空輸 2768人

 この自衛隊のフィリピンでの活動は、我が国の「戦後通史」を覆す情報を我々に届けてくれた。
 それは、日本が来てくれたことに対するフィリピンの人々の喜びと親日感情の強さである。
 レイテは、大東亜戦争の激戦地である。それ故、戦後の通史は、フィリピンの人々は日本軍のために大きな被害を被ったので反日感情が強いということだった。
 しかし、そうではなかった、反対に親日感情が強いのだ。これはフィリピンから始まるアセアン諸国共通の意識であろう。

 ここで自明のことを強調しておきたい。
 特に我が国においては、
 災害救助救援能力と島嶼防衛力は不可分一体である。
 従って、自衛隊が水陸両用戦能力を強化することが、災害の救助にも国家の防衛にも死活的に必要である。
 従って、早急におおすみ型輸送艦(揚陸艦)と水陸両用戦部隊を一層増強強化しなければならない。

 そこで、東日本巨大地震救助活動を振り返り、
不眠不休さらに不食の活動を展開した十万人を超える全自衛隊員に心から感謝しながら、
政治の欠落か、菅内閣の怠慢か、合点がいかないことがあるので指摘しておきたい。

(1)何故、孤立した気仙沼の大島救援に「おおすみ」を出さなかったのか。
 大島には、地震から二週間以上後の三月二十七日に初めて救援部隊が上陸する。
 その部隊は、地震発生時にはカンボジア海軍との合同演習のためにシアヌークビル沖にいた強襲揚陸艦エセックス(母港、佐世保)に乗り込んでいた沖縄のキャンプハンセンに基地をおく第31海兵遠征隊だった。エセックスは海兵隊を乗せたまま急遽シアヌークビル沖から気仙沼に急行し大島に向かい海兵隊を上陸させたのである。
 何故もっと早く、ホーバークラフトを搭載した「おおすみ」に救助隊員と物資を乗せて大島に向かわせなかったのか。
 「おおすみ」は、伊豆の大島にもレイテにも行っているではないか。何故、気仙沼の大島には行かなかったのか。

(2)何故、猛訓練をつんだ精強な空挺団に、孤立した被災地への空挺降下による救助活動をさせなかったのか。
 言うまでもなく、被災から七十二時間以内の救助が生きるか死ぬかを分ける。まさに、一刻を争う。その時、陸路近づけない孤立地域には、空挺降下しかないではないか。

 この(1)と(2)が、東日本大震災に於ける救助救援活動に対する私の疑問点である。
 仮に、この二つに、菅内閣の介入があるならば、菅直人の責任は、村山富市より重い。

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