最新巻の発売日に照準を合わせ、
数日前から全巻一気読みを始めた
「リアル」漬けの日々が終わりました。
鼻水なのか涙なのか、もはや何なのか
得体の知れない汁で
顔がカッピカピになって
目が開かない今の充足感たるや。
(*=﹃ =*)←本当にこんな顔。

「リアル」には障害者スポーツとして
車椅子バスケが出てきますが
まだそのスポーツに出会う前、
それぞれ絶望を経験した主人公達が
もがくところから始まります。
前を向くことすら難しい状況もあります。
そんな中、周りの人達に影響され
彼らが少しずつ変わっていったり、
時には彼らが周囲を変えていったり、
丁寧に描かれる登場人物達のドラマに
毎回、強烈な衝撃を受け、
奮い立たされます。
巻ごとに誰かに感情移入しながら、
誰かを応援しながら読んでいました。

でも8年前、
(わ、もうそんなに経つんだ!)
私自身が患者になってからは
まったく違う目線で
この物語を読むことになりました。

最初の病院での1年間の入院は
後半の半年間が特にしんどかったです。
薬が身体に溜まっていったからでしょう。
だんだん副作用の重さに
耐えられなくなっていきました。
副作用を抑える薬が増えました。
副作用を抑える薬の
副作用を抑える薬が追加され
もはや何を身体に注入しているのか
どの管が何なのかいまいち分からず、
ちょうどその頃に病棟の闘病仲間が
1人また1人と旅立っていきました。
各々の治療がどれほど苦しいかを
不幸自慢でもするように
半ばやけくそ気味に語り合うことに
実際私は随分助けられていたんですね。

ひとり残されてからは
病室に「リアル」全13巻を持ち込み、
泣きながら、吐きながら
前を向かせてくれるセリフを探しました。
それをおまじないみたいに繰り返します。
眠れない夜は特に
主人公達、その仲間達、家族達、
架空の人物達に励まされていました。
大げさでなく、救われていました。

しんどい時に
自分の現状を忘れられる本、
別の世界に没頭させてくれる本を
好む人もいれば、
自分の現状とリンクする本、
思いを共有できるような本を
好む人もいると思います。
私は後者でした。

余談ですが、
どこの病院の入院病棟にも
意味不明のチョイスの漫画や雑誌が
多く見受けられますが、
こう言う本こそ置いて欲しいです。
もしくは無難な癒やし系の雑誌でも
置いといてくれたら良いんです。
本当に
「美ST(美魔女誌)」とか「レオン」とか
どこの病人が読むんだよ!?●●大学!
こちとらみんな寝間着着てんだわ!!
あれ一体誰が選ん
あ本当に余談だなこれ。

「リアル」14巻が発売されたのが6年前、
私が退院した年です。
新規のアニメの仕事を頂き始めていました。
すごく有り難いことなのに
2年間の闘病生活で
とことん弱っちくなった私は
惨めな状態の自分を皆に晒すのも
それでガッカリされるのもいつも怖くて
「強さってなんですか、…
と繰り返し唱えてスタジオに向かいました。
14巻の一番好きなセリフです。
こんな時も「リアル」は
お守りでした。

今現在の私はこう、
ずいぶん逞しくなり(((o(゚∀゚*)o)))
通院しつつ用心しつつ
声優をして暮らしています。
あの頃には想像しえなかったほど元気です。

この散歩スタイルは我ながら微妙だけど
こんなに暖かい日には歩こうかなって
思えるくらいには元気ってことで♪

だから…、つい…、
私の推し方はいつも
圧が強過ぎると言われても
勧めずにはいられない。

今しんどい人、前を向けない人、
とにかく勇気が欲しい人、
騙されたと思って読んでみて!
お守りになるかもしれないから!!


 

 

 

追伸
女友達にリアルを約20年間勧めて
「だって絵が怖いから~」
と敬遠され続けています。
スラムダンクファンのくせに
何で絵に抵抗持つんだよ!?ヽ(`Д´#)ノ
1巻の表紙がよりによって主人公の中で
一番顔が怖い野宮君だからかな。
すごく愛おしいキャラなのに。
そう言えば最新巻の表紙もそうだ。

この見た目は、
流川君ファンには
響かないんだろうなぁ…(´・ω・`)