アダム・シフのプーチン無知を、スティーヴン・コーエンが笑う

 

 

【訳者Greatchain

 

我々にはほぼわかっていたことだが、ロシアとアメリカの溝の深さは、コーエンによってますます明瞭になった。これはアメリカの堕落と衰退を、絵に描くような話である。「勝つためには敵を知る」というような動機が、ここには全くないことがわかる。これでは「アメリカ例外主義」どころか、アメリカの敗北しかないであろう。

 

問題は、我々の社会に、このような潮流が入ってきて、アダム・シフ思想が間違って受け取られ、ロシアの評価が逆になるという怖れである。そんなことはあるまいと思うが、メディアがそれを言い続ければ、何が起こるかわからない。これは我々の倫理道徳の話、人間が腐るか腐らないか、目が覚めるか覚めないかという、教訓としてとらえるべき話題である。

 

 

RT.com

January 28, 2020

 

‘Nobody ever gets points for saying anything good about Russia’: Stephen Cohen says, as Rep. Schiff spreads ignorance about Putin

 

トランプーチン

「ロシアを再び偉大に」

 

米大統領ドナルド・トランプに反対する抗議者が、20196月、ニューヨークで行われたラリーで、これを掲げている

 

 

「米議会のヘビー級ボクサー、アダム・シフは、ロシアを深く誤解しているにもかかわらず、モスクワのバッシングをやり続けている。その理由は、ワシントンでは、そうすることが〈政治的に有利〉ということになっているからだ」と、ロシア専門家Stephen Cohenは語った。

 

「ロシアに対して高度に批判的であることは、アメリカでは立派な政治家の証なのだ」と、ニューヨーク大学と、プリンストン大学の、ロシア研究の名誉教授コーエンは、月曜日にオンライン・アップロードされたインタビューで、GrayzoneのジャーナリストAaron Mateに語った。

 

  「ロシアについて何かよい発言をしても、誰も反応しないのだ。そして、ロシアとのどんなパートナーシップを論じても、反応が返ってくることはまれだ。」

 

コーエンは、「ロシアをバッシングすることは、多くの人々にとって政治的に有利なのだ」と言い、2020年の大統領選レースの〈進歩的な〉民主党候補でさえ、モスクワに対して敵意をもっている者たちがいると言った。

 

  「物事がうまくいかないときに、ロシアを非難することが、アメリカの処世術になってしまった。もちろん時には、アメリカが悪い場合もあるが、それはいつもそうなのではない。にもかかわらず、それが我々の物の考え方の一部になっている。」

 

RT.com関連情報:「弾劾:民主党は “独裁者” を叫び、トランプ・チームは “選挙干渉” を叫ぶ」

 

米民主党をリードする弾劾の管理者、アダム・シフ議員は、上院の裁判の間、しきりにロシア口にした。民主党がドナルド・トランプを追放しようとするのは、彼らの思惑では、トランプがウクライナに対する軍事援助を、一時、打ち切ったことで、それは彼が、キエフに圧力をかけて、2020年選挙のライバルである、前副大統領ジョー・バイデンと息子のハンターの取引を、調査させようとしたのだと主張した。ウクライナに武器を送るのは、〈ロシアの拡張主義に歯止めをかけるという、アメリカの恒常的な利益〉に資するものだと、シフは論じた。

 

しかしコーエンは、キエフに武器を送ることは、アメリカが、ウクライナの指導者ボロジミール・ゼレンスキーの、平和的な手段で、ロシアとの紛争を解決する努力に背を向けるものだと言った。それとは逆に、ワシントンは、交渉しようとする隣人たちを勇気づけることが肝心だと言った。

 

  「もしゼレンスキーが、プーチンとの彼の平和交渉に対して、十分なアメリカの援助を得られるなら、それは彼に大きな力となるだろう。」

 

上院の議場においてシフは、モスクワを非難して、彼らは民主主義と、世界中の政治制度への信念を、覆そうとしていると言った。

 

コーエンは、この議会人は、ロシア大統領ウラジミール・プーチンが、現実に、「私自身の歴史的な使命と考えている」と語ったことを誤解していると言い、それはシフが、プーチンが言ったと主張していることとは、ほとんど逆だと言った。

 

この研究者によれば、プーチンの主たる野心は、「ロシアを建て直し」、ソ連邦の崩壊の後、「1990年代に、それが陥った惨状から回復させる」ことである。

 

  「プーチンが最も望まないこと――それは不安定だ。彼は国家内部の経済と、外国諸国との経済的安定を確立しようとしている。それこそ彼が、ロシアを現代化する方法と見ているからだ。

 

コーエン教授は、モスクワは現在、中国との絆を固めようとしている。しかし同時に、ヨーロッパともアメリカとも、よい取引関係をもちたいと考えている、と言った。

 

  「彼が不協和を求めているという馬鹿な考え――しかも〈近代化された取引関係〉において、彼が望んでいる国家との関係において——それを求めているという考えは、アダム・シフの側で作られた無知に過ぎない。シフは、ロシアについてとても雄弁なので、我々にはその無知の種類がわかってくる …それはワシントンの政策立案者たちの、とても大きな領域を支配している無知だ。」

 

                             ——以上

PDF: http://www.dcsociety.org/2012/info2012/200130.pdf