【宇宙戦艦ミソノフィーバー】




巨大なエネルギーを持つ光が、宇宙をぶっ飛ばしていた。

まるで暗闇を切り裂く赤いイナズマだ。

「急がねば」

向かうのは地球。

オレは宇宙戦艦レッドギターのコックピットに座り、光速で進む前方を

凝視する。

次々と、背後に飛び去っていく星の光のラインの中で、

オレはある事を考えていた。

あれは、外宇宙からマゼランに入り、ワームホールに入った瞬間だった。

頭の中で、ピカッと小さな爆発が起きたような感覚と共に、

ある宇宙言語がイメージとしていきなり現れた。

「地球のロックなんて、たいした事ないゼ」

ワームホールでは、同じワームホールを使う何者かの心が、

いきなり頭を直撃する事がある。

ここを利用するときには雑念を捨てて入らなければ、

妙な物を誰かに見せる事になりかねない。

だから、自分自身の心を落ち着け、乱されないようにする事が大事だ。

がっ、乱された。

いったいどこの宇宙人だ!

こんにゃろめ!

この広大な宇宙で、地球征服に標準を合わせている宇宙人は多い。

何度か会い、その度に撃退してきたが、地球のロックに標準を合わせる

宇宙人は初めてだ。

それでもロックなら大歓迎ではあるのだが、

たいした事ないと思われるのは頭に来る。

それとも地球ロックへの対抗心の現れか。

この人間の想像を遙かに超えた宇宙では、偶然にも地球と全く同じ

音の振動を持つ星もあるだろう。

同じ音の振動ならば、行き着くのはR&Rである事は間違い無く、

きっと宇宙エルビスなどが生まれたに違いない。




今までいろんな星を旅した。

しかし宇宙はあまりにも広大で、ロックを持つ星は、

我々の狼惑星しか知らない。

今、ある星の宇宙人が地球のロックに対抗しようとしている。

負けるわけにはいかない。

だがいつの日か、その宇宙人がその星のスーパースターを送り込み、

地球人は、そいつに踊らされる時が来るかもしれない。

いや、もしかするともう来ているのかも?

黒からどんどん白く変わっていったあのスター!?

マイケル、彼は死んだのでなく、星に帰って行ったのではないか!




宇宙戦艦の前に浮かぶ銀河系。

光の速さで近づくが、その距離の前ではまるで止まっているかのようだ。

数日後に、最後のワームホールが出現する。

それを抜ければ、目の前に地球があるはずだ。

地球のロックに、さらなる輝きを!!!

メリークリスマス




地球西暦20141228()

地球日本大阪なんば味園ユニバースに、凄腕のロッカー達が集結する。

宇宙人よ、地球ロックを見よ。

征服出来るものならやってみろ!

でも、かっこよければ征服してくれてもいいけどね。

ホントは大歓迎さ、待ってるよ!


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