【遊星からのスーパーノイズ】




高二の歴史の授業中だった。

夏の午前に、それは突然やって来た。

窓からの幾分か涼しい風を感じながら、黒板ぼんやりのその時だ!

頭がいきなり覚醒した。

まるで、宇宙からやってきた爆音ノイズが、

電撃と共に、頭に飛び込んできたような感覚!

脳内で高速回転し、ウオオオオ~っと何かが爆発しそうになり、

間髪、心が叫んだ!

「チクショウ!オレは好きなことをやってやる!」

何かが入った瞬間だった。

ティーチャーの声だけが響く教室で、

ひとりブルブル震えるオレがいた。

まるで何かに変身するかのように肌毛がゾワゾワ逆立っていた。

前後左右で、オレの様子の変化に気がついたクラスメートが

いたかどうかはわからない、

もしいたら、しょんべんでも必死に我慢しているように

映ったかもしれない。

でも我慢と言えばそうに違いなかった。

あの時、オレは何かをつかんだと言う爆発する歓喜を

必死に押さえていた。

その時から、オレの頭にはいつもノイズがある。

いつもは、脳の片隅でジュワジュワしてるが、

何かの瞬間にはぜると、

いきなりピキーっと大気圏を突き破りそうな感じが、

その時からいつもある。







学校は結構な進学校だった。

自分のクラスから、東大生が4人も出ている。

今考えればびっくら驚きだ。

時には、1時限目の前にゼロ時限という授業が設けられるくらい

勉強ばっかで、しかも、高校生活で最も大事なひとつであろうと

思われる修学旅行すら無い学校だった。

だがあの時はおれも一丁前に、シャープペンで

耳をホジホジしながら、どこかを目指す日々を送っていた。

しかし、あの瞬間からやめた。

オレは好きなことやってやる!

今のところそれが何かわからないが、本当にそれをやるのだ!





あの瞬間はまさに、未来への大きなベクトルがいきなりぶっ太く

飛び出た瞬間だった。

オレはその瞬間を、あの静かな教室の中で、ど迫力に体験した。

そのベクトルは、あの時の高校の教室から時空のらせんの

ど真ん中を通り、今のオレに、真っ直ぐ突き刺さっている。

今でもあの時の事を思い出すと、心の動悸が激しくなる。

歴史の授業も、あの覚醒の何かに関係していたかもしれない。

だがあの衝撃はきっと、宇宙からやって来た自分へのメッセージ

だったに違いない、と今でも思っている。





宇宙戦艦ミソノフィーバー2015

遊星からのスーパーノイズ

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