ロシア国内80都市以上で反政府デモが発生している。

メドベージェフ首相が賄賂を得たとする告発映像が事の発端ではあるが、プーチン政権の足元が揺らぎかねないものとして、対応に苦慮している模様である。

現在のデモに関しては、プーチン大統領の強権的な政権運営に対する反対意見も散見されるようであるが、こうした不満の発端は欧米による経済制裁でロシア国内の経済が厳しい状況にあることが原因と考えていいだろう。

もともとプーチン大統領は長い間国内での支持率が80%を超えており、ロシア国内の人にしてみれば「いいお父さん」「頼りになる人」といった感覚のようだ。
もともとソ連崩壊以後のロシア経済をここまで復活させてきたのはひとえにプーチン大統領の手腕によるものであり、それはロシア人にしてみればよくわかっていることなのである。
国内の支持というのも、経済や外交が上手くいっていれば、政権運営が強権的かどうかは国民にとってさほど問題でない場合も多い。
現在の不満が噴出している原因には、やはり経済の低迷による厳しい国民の生活がある。

今、恐らくプーチン大統領は厳しい状況下を耐えている状況ではなかろうか。

経済の低迷を何かの形で脱出しなければこのように不満が噴出してくることはプーチン大統領には分かっていたのだろうと思う。
そのため、領土問題が進展しないながらも昨年末には一応日本までわざわざ足を運び、国際的に孤立している状況の中で関係を繋ごうとしていたのだろう。

しかし、日本は依然としてG7に歩調を合わせ、ロシアに対する経済制裁を続けているし、アメリカのトランプ大統領は選挙中の公約で「ロシアへの経済制裁を解除する」と掲げながら、国内でロシアとの関係を疑われ、それを気にして経済制裁を解けず、現在のロシアのデモ取締りについても非難しているのだろう。本心としては経済制裁を解除したいのだろうが。

私はアメリカが動きたくても動けない中で、ロシアのプーチン政権が崩壊していくのを眺めていることが賢いとは思わない。
中東問題は米露の協力による解決が不可欠だし、北朝鮮問題についても米露と中国の協力を仰ぐことが一番最善であろう。
ロシア自体が不安定になればISの問題なども進展しないだろう。

プーチン大統領は北方領土の件などで日本国内での評判は良くないのかもしれないが、逆にプーチン大統領の間に解決しなければチャンスがやってこないかもしれない。

日本にとっても、世界にとっても、ロシア国内の政情不安はあまり好ましいことではない。

先ほど申した通り、アメリカが動けない中で、独自の動きをすべきは日本であると思う。多少は恩を売ってはいかがか。
経済制裁を解除してもアメリカから文句を言われたり、日本が制裁対象になったりはしないだろう。
トランプ大統領が不満なのはあくまで不正ダンピングなどなのだから。笑

最近は北朝鮮の労働者を極東シベリア開発に投入しているらしいが、この辺りもロシアはぜひ進めたいところなのだ。

ロシアは今窮地に立たされている状況であろうが、これを救えるのはやはり日本だと思う。
そしてそれは日本のみならず、世界の情勢安定に極めて重要なポイントになるだろうと考える。

アメリカは「日本がやってるなら」ということで後追いでロシアへの制裁を解除するかもしれないし、むしろそのようにどう米露の関係をとり持つか、ここについて日本が働きを果たさねばならないと思う。決定的に重要な仕事である。