おしつける愛 | 辻明佳のナイフとフォーク

辻明佳のナイフとフォーク

旅、お料理、ときどき女優。

お年寄りや妊婦さんなどへの席のゆずり方がたいへんにへたくそである。

まず自分に「ガラにもなく善行をする」という気負いというかおごりがあるんですね。

だから自然にやれない。ぎこちなくなる。
あと稽古のために基本毎日大荷物なのでそもそもスッと立てない。
大かばん持って、サブ袋持って、よいしょ、あっすいませんぶつかっちゃった、えっとその、どうぞ、となる。
だからふだんは声をかけずに「次降りよーっと」という顔して無言で隣の車両に行く
という方法で乗り切ってたんだけど昨日は魔がさした


空いてるけれどちらほら立ってるバス内、
座ってる私の横に
めっちゃつり革に体重あずけて
私サイドに圧をかけてらっしゃるおじいさまがひとり
大かばんとサブ袋とコンビニ袋をもって!
「どうぞ(✿´ ꒳ ` )」←極力自然な笑顔
「いやいや大丈夫! 大丈夫!」
「いえいえ、ほんとに(✿;´ ꒳ ` )」
「大丈夫! 大丈夫!」
「私すぐなんでよかったら(✿;;´ ꒳ ` )」
「大丈夫! 若いから!」

若 い か ら

でた! 伝家の宝刀!

これ出されたあとってどしたらいいの?
てかあの圧はなんだったんだ!

辻「や、そんな、そ……そうですか……むにゃむにゃ」
とす わ り な お  し  たーーー\(^o^)/

もうね、おじいさんずっと座ってる私のすぐ横に立ちっぱなしだしねこの気まずさ

みんなどうしてんだろう
こういう時にいいからいいからで愛を押しつけきれるおばちゃんにも憧れます
ひとさまからゆずられる側になるまでには
スマートにゆずれる人間になりたいものだ



稽古してるよー!
6/3~6『スパルタクスの乱開発』主演!
よろしくお願いします(✿´ ꒳ ` )♡