私達HACHIKUは、日光の天然氷を明治二十七年創業 蔵元「松月氷室」さんよりお譲り頂いています。
天然氷、純氷、製氷機、台湾かき氷のような味つき氷等 …
単に「氷」といえど色々な製法があります
この中でも、昔ながらの製法を代々引き継ぎ歴史を重ねているのが「天然氷」です。
冬場の安定的に気温の低い日光の山間で氷池を作り、上流で何重にもろ過した湧水を池に流し込み、外気の中でじっくりと凍らせていきます。
機械で凍らせるよりも遥かにゆっくりゆっくりです。
そして、毎日表面を流しては、落ち葉や不純物を除き
じっくりじっくり…
日々少しずつ厚みを増していく天然氷。
その過程で雨が降れば、割って作り直し
雪が降っても割って作り直し…
とても繊細な行程です。
そう、自然に翻弄され 活かされ
「天然氷」は出来上がるのです
時に頭を抱える程に
厳しく自然に打ちのめされもする。
だから一喜する年もあれば、
一憂する年もある。
「天然氷って、自然の中の池で作っているんですよね」
「切り出しの映像、テレビで見たことあります!」
天然氷の出来るまでの過程をお話しすると、
「へえ~‼️」と
目を丸くして聞き入るお客様。
改めて、しみじみと
手に持ったかき氷を眺めるお客様。
私も不思議に思います
おがくずに包まれ、室(むろ)で大切に保存され夏を待つ氷達…
「今、手に持っている氷は
あの冬の間に出来た氷なんだ…」
そう思うと、
なんだか神秘的で
とっても不思議な感じがするんです。
当然、こうして冬を乗り越え出来上がった氷は 人が食して問題ないかどうか行政のチェックを受け、認められて私達の元へとやって来ます
山あいの外気に野ざらしの池でなど作らずに、屋根があれば雨風も当たらないだろうに…
無菌室で機械製氷すれば
はるかに楽だろうに…
今や効率良く氷を作る方法など容易くある便利な世の中ですから、色々な考え方があると思います。
しかし、
天然氷は機械で作った氷より溶けるのが遥かに遅く、生魚を保冷するのに使えば遥かに味良く鮮度を保つことが出来る。
…何故だろう??
自然に活かされ、作られるものの奥深さを感じずにはいられません。
その氷の分厚い塊を
丁寧に研いだ刃で薄く削り作ったかき氷
驚くほど柔らかくふわふわの食感は
瞬く間に口の中で溶け、儚く消えていく。
…次の一口へと手が延びる。
正直、ただ かき氷を食すという行為においては、シロップがかかってしまうと
屋根のある所で作られた氷も、純氷も、昔ながらの天然氷も味比べはとても難しい次元だと思います。
でも、私達日本人には歴史や伝統や文化といった背景を
慈しむという感性があります。
作り手の手間隙に
思いを馳せることも出来ます。
渋柿を食べて 初めて、渋いとはどういうものか感じることが出来るように
口の中で一瞬で溶けて無くなる氷から、私は自然の儚なさを感じることが出来るような気がします。
是非、こういった背景を慈しんで頂ければ幸いです。
そして、私達が「天然氷」を扱わせて頂けることの喜びもここにあると思っています。
時に頭を抱える程に
厳しく自然に打ちのめされもする。
だから一喜する年もあれば、
一憂する年もある。
儚さもひとしおです。
つきましては、数に限りがあり心苦しいのですが
「天然氷のかき氷」は、限定数にて日々販売させて頂いています
蔵元松月さんと、それぞれの業務店の店主様方が思いで繋がり、皆の力を合わせて切り出された大事な天然氷
そんな皆様へのリスペクト、食べに来て下さるお客さまに感謝、真心を込めて日々営業させていただきます。
まだまだ勉強中ですが、
メニューを考えたり仕込んだり、足を運んで下さるお客様の事を考えて出来る限り頑張ります!
\ 天然氷のできるまで /