そしていよいよ開催日の今日。
ドキドキしながら仮設住宅に向かいました!

集まってくださったのは、およそ10人。
住民のちょうど半数にあたる方々が
足を運んでくださいました。


みなさんとはいちど顔を合わせていましたが、
まずはあらためて自己紹介。
震災のときの体験を話してくださる方も
いらっしゃいました。


このあと、いよいよ本番の貼り絵です。

色画用紙、折り紙、千代紙、
すかし模様の入った薄い紙などを使って、
みなさんに好きなように切り貼りしていただきました。
テーマは自由。


ここのみなさんは本当に仲がよく、
作業の間も
にぎやかなおしゃべりと笑い声がたえません。

口も手も両方忙しく動かしながら
あっと言う間に
作品を仕上げていくさまは、
本当におみごとでした!


最初は
「オレ何にも浮かばねぇ~」
とおっしゃっていたおばあちゃんも、
みなさんといつものように話すうちに
自然に手を動かして、
色鮮やかな作品を仕上げていました。



ではここで、
みなさんの想いがぎゅっとつまった
作品をご紹介いたしましょう。
(すべて掲載のご了解を得ています)


こちらの方は、
「遠洋まぐろ船の出港」を貼り絵にしました。

$はだしの圭の「はだしのまんまで歩いて行こう」

船の左側から出ている直線は、
見送り用のテープです。

出港のときは、
船上の漁船員と見送る家族が
互いに5色のテープの端と端を持ち、
船出を祝うとともに
航海の安全を祈るならわしがあります。





こちらの方の作品も、やっぱり船。
ウニ漁やあわび漁に出るときの小型船で、
船の下の黒いものがウニです。
3羽の白い鶴は
ご家族をあらわしているそうです。

$はだしの圭の「はだしのまんまで歩いて行こう」





こちらの女性は、
鶴の模様の千代紙と
薄紫色の和紙をさっと組み合わせて、
「夕暮れに舞う鶴」
というタイトルをつけていらっしゃいました。
とってもオシャレ!

$はだしの圭の「はだしのまんまで歩いて行こう」





この方は用事で途中少し抜けられたのですが、
「うーんうーん」と一生懸命考えた結果、
短い時間で
色合わせの絶妙な作品に仕上げました。
「ふろしきみたいだ~!」
とはご本人の弁。

$はだしの圭の「はだしのまんまで歩いて行こう」





こちらの方は、静かに熱中されていました。
空にたなびく雲のような形の赤と、
大きな桜の花びらのようなピンク色が
可愛らしいですね。
中央のカブトがポイントです。

$はだしの圭の「はだしのまんまで歩いて行こう」





91歳のとっても達者なおばあちゃん。
赤と黄色の折り紙の角を切って、
レースペーパーのようになりました。
ほかにも、
赤と青の折り紙を組み合わせた
小箱を作っていらっしゃいました。

$はだしの圭の「はだしのまんまで歩いて行こう」





お世話になったまとめ役の方。
玄関先にある鉢植えを描いたそうです。
鉢から延びる植物の部分は、
細かい花模様が入った千代紙を使っています。
まるでキルトのようです。

$はだしの圭の「はだしのまんまで歩いて行こう」





こちらの方の作品は、
「復興した気仙沼」。
魚が泳ぎ、木の実が実り、
大きな太陽が昇ろうとしています。
気仙沼の未来図です!

$はだしの圭の「はだしのまんまで歩いて行こう」





貼り絵のあとには
みなさんで作ってくださった
お好み焼きまでごちそうになり、
すっかり長居してしまいました。


あんなにつらいことがあったのに、
あのはじけるような笑顔と大きな笑い声は、
以前のままでした。

港町のお母ちゃんたちの
たくましさあたたかさは、
あの震災ですら奪うことができなかった
気仙沼の宝物です。


$はだしの圭の「はだしのまんまで歩いて行こう」