風のように | 野の草

野の草

日々、楽しいことや悲しいこともあるけれど、

自然は変わらず、その季節になると同じように花が咲く

季節を感じながら

その時の自分のきもちも感じたいと思う

10年、共に過ごした柴犬の風太が
金曜日に旅立った

朝、いつもの様に変わらず、いっぱいご飯を食べて、普段と変わらなかったのに

夜に家に帰ったら、もうすでに息がなかった。

あまりに突然のことに呆然とした。

10年前、山の方に引っ越した時に家にやって来た。

仕事帰りにホームセンターに寄った時に
ペット売場のケージに入って、
この中に入っているには、大きすぎるような犬だった。

じっと見つめてくる大きな目

狭いケージで自分の尻尾を追いかけて、クルクルと回っていた。

それから毎日、仕事帰りに立ち寄って会いにいった。

その頃一緒に住んでいた父に
思い切って話す。
夫にも話す。

犬が飼いたいのやけど…

山際の坂道の散歩道
桜並木やコスモスが咲く景色を歩いた

それから、二年も経たない時に
私の入院、足が悪くなってからは散歩に連れて行けなくなってしまう。

四條畷に来てから、坂道もないので連れて行けると思ったけれど、
強く引っ張る力に、やっぱり無理で…

夫が休みの日にたまに連れて行ってくれるだけで…

風ちゃんには本当に可哀想なことをした。

その気持ちがずっと心から離れない。

動物霊園の人が迎えにきて下さった。

玄関先で、ごめんね、ごめんねしか言えなかった。

八年前
一番、つらかった時期に一緒にいてくれた。
ベランダで泣いてたら、心配そうに顔を見て、ペロペロと顔を舐めてくれた。

風太から受けたものがたくさんある

でも、
私は何もしてやれなかったという思いだけがずっと、心から離れない