日経新聞に連載している
「 黒書院の六兵衛 」 をご存知でしょうか?

浅田次郎の、幕末歴史ものです。
幕末が舞台ではありますが、
いわゆる 幕末もの とは 趣き が異なり、
江戸城開城の前後のたった数日間の
将軍様のSPの書院番(旗本)の奇怪な行動に
フォーカスした興味深いに作品にです。
連載2カ月くらいだと思いますが、
まったく先が読めません。
さて、この連載を読んでいて新鮮だったのが、
将軍の謁見の間に臨んだ際のやり取りに、
日本における 階級社会の存在を 実感させてくれます。
以下、本文抜粋です。
「君も御書院番士ならば、この大広間が
どれほど畏れ多い場所かは知っているだろう。
やっぱりおぬしは金上げ侍だの。もとは百姓町人か、
どこぞの奉公人かは知らぬが、ここがどこかわかって
いないからとんだ無礼を働くのだ」
現在の日本では、まったく実感することのなくなった
階級ですが、ほんの100数十年前までは、
まったくあたりまえの価値観として、世に浸透していた
ことを感じます。
おそらく、インドのカーストやイギリスの貴族意識などは
いまでも色濃く残っている現実なのでしょう。
ここにも、また一つ、
非常識な常識が存在していました。