鏡の向こうの世界奥様の生前の日常について、私は以下のように想像しております。 奥様と怪物は片時も離れることなく、おそらく生活の全てにおいて、二人三脚の会話が日常だったと思いますね。 例えば夕食のオカズを買うためスーパーに行けば……ニンジンが無かったわね?おネギも?今夜は豚より牛にしましょ?……とか、ソレは次から次に飽きることのない会話です。 いえ、生きている人間同士の場合は、通常そんな二人三脚は有り得ません。 奥様と怪物は「心の中」で無言のお話をしていたからです。