話し合い | 歓びの種

歓びの種

お山の樂校の代表あいこのおしゃべり部屋。お山のスタッフとして、2人の娘の母として、愉快な4人家族のひとりとして。日々のいろいろな出来事から私が感じることや私から見えている世界を、氣ままに書いてみようと思います。

お山の樂校では毎年この時期に「運動会したい!」の声があがります。


子どもたちの提案から開催が決まり、実行委員が決まり、種目が決まり、着々と準備が進む中、今年は日程だけがなかなか決まりませんでした。


「親にも来てもらいたいから休日がいい」

の意見があって、おとなに予定を聞くと全家族が揃うのは12月4日だけ。


「そんなに先はいやだ。12月になると寒くなる」

という意見も出てきて、


おとなは関係なく11月の平日にするのか

12月まで待って休日にするのか


それを何日も何日も話し合いました。


平日派にも休日派にも譲れない想いがある。


自分にはこういう理由がある。

そっちはどうしてその日がいいのか。

親が来て欲しいのはどうしてなのか。

12月のその日が寒いとはかぎらないんじゃないか。


お互いの意見を伝えたり、聴いたり、もどかしくて相手を責めたり、言葉にするのが難しくて涙が出たり。


コイントス、じゃんけん、あみだ、多数決…


サクッと決めてしまえる方法の提案も出るんだけど、「話し合いで決めたい!」っていう意見が出るもんだから、「じゃあどうやって決めるとよぉ〜」って頭抱えながらも、話し合うことは続けられていました。


そこでおとなからの提案として、


「平日がいい。休日がいい。両方の意見がある。

それを伝えたり聴き合ったりできるのはとってもいいことだと思う。

だけどこのまま自分の主張だけし合ってても決まらない。

両方の意見を混ぜ合わせた先の、お互いが納得できるような結論へ行くにはどうしたらいいかを考えてみるのはどうだろう」


という意見が出ると、ひとりの子が


「12月いやな理由が寒くていやなんだったら、寒さ対策を考えたらどう?」


と言ってくれて、その後また別の子が


「ラーメン早食い競争でもする?」


って言った一言から、みんなの思考は


「寒さがあるから楽しめるものを考える」


方向へと一気に流れていって。


「ラーメンやりたい!」

「ストーブ持ってく?」

「コーンスープ持って行っとこ〜」


と、さっきまでのモヤモヤ空間が、あっという間に楽しさを生み出す空間に変化していきました。


結局、話し合いの最中には考えられなかったけど、快く全員一致で12月に決定!

「はぁ〜、決まったぁー」

「話し合いで決められたね」

と、安堵感と満足感いっぱいの表情はとっても晴れやかでした。


一緒に参加している私は、

「これ、決まるんかなぁ」

「保護者の人に日程確定待たせてるしなぁ」

って思いもありながら、それでもこの話し合いに真っ向から向き合いたいこの人たちの時間にず〜っと付き合いたいって氣持ちでいました。


まさかラーメンのアイデアでこんな結末に辿り着くなんて予想もしてなかったですけど(笑)。


だけど素晴らしかった。


一人になっても絶対譲らないって人

詰め寄られて泣きながら氣持ちを言葉にした人

もうコイントスで決めよぉ〜って言った人

多数決でいいやんって言った人

絶対話し合い!って言った人

言いたくても言えなかった人

言いたいことを頭でぐるぐる考えてた一人

寒さ対策をすることを思いついた人

ラーメン早食いを言い出した人


どの人のどの意見も、

どの参加の仕方も、

それがあったからここに辿り着いた。


その人がその人であるから出てきた発想。


強く主張できる人も

言葉にするのが苦手な人も

すぐ泣いちゃう人も

どっちでもいい〜の人も


一場面だけ切り取ってみると、

話し合いを長引かせたり滞らせたりする

要素にも見えるだけど、


その人がその人であり、

その人がその人のままでそこにいてくれたから

あの結論に辿り着いた。


そう感じます。


あなたはあなたのまんまでいい

私は私のまんまでいい


誰のようにもならなくていい


あなたがあなたのまんまで

ここにいてくれてありがとう


そんなことを心から感じさせてもらった

素敵な素敵な時間でした。


さぁ、今年の運動会!

どんなことが待ってるかな〜♪