この土地の桜が散ると

もう少し北の大地で桜が咲く


太陽が沈むと
西の国では日がのぼるように


渓流の岩清水が
いつか大河へ流れるように


いつでも
どこかとどこか
誰かと誰かは
繋がっていて


流れるように渡して
流れるように受けとって


そのすべてが繋がりあっていることが
どれだけ美しい秩序であるか


その繋がりあっているすべてのなかで
直接バトンを繋ぐことのできる存在が


どれだけ愛おしい存在であるか
今年も桜は散って
そこに何かを遺しながら
次の土地へと風が運ぶ


子どもたちの遊ぶ声
鳥たちのうたう声
さくら達のささやく声


強い風の春の日に