こんにちは。三浦絵里子です。

 

久々に胸がざわざわする映画を見ました。

 

 

邦題は「スリービルボード」。

原題は「THREE BILLBOARDS OUTSIDE Ebbing MISSOURI」。

このEbbingというのはミズーリ州にある小さな町。

つまり原題は「ミズーリ州のエビング郊外の3つの看板」

という意味ね。

 

 

 

 

ビルボードというのは上の写真にあるように、

アメリカの田舎道などに設置された看板のこと。

このどでかい3つの看板に、

ひとりの女性がある広告を載せたことから

物語は始まります。

 

看板には3つの言葉だけが。

 

「レイプされて殺された」

「犯人はまだ捕まらない」

「ウィロビー署長、なぜなの?」

 

 

 

ミルドレッドは、

娘を惨殺されて、

その犯人がいまだ捕まらず、

警察が怠慢なことに

腹を立てたわけです。

 

ここまで聞くと、

「ああ、この人が警察とか権力に屈せず、

偏見にもへこたれず、犯人を探していくのかな?」

と思いますよね。

 

 

でもそうじゃない!!

 

 

この事件が起こっている土地、

ミズーリ州はアメリカ南部にある州で、

いまだに人種差別が消えない

とてもシビアな地域。

 

アメリカのど田舎。

人種差別や男女差別が根強い権力社会。

現代世界から大きく隔離されたような、

とても小さな常識の範囲で生きる人々。

 

そんな閉塞感もこの映画の特徴のひとつ。

 

 

 

 

そんな土地で、

女がとんでもない広告を出した。

当然警察は広告を外せと脅す。

でも彼女は屈しない。

 

 

 

このチラシを見ていただくとわかるのですが、

この映画、彼女一人がヒーローのお話ではないです。

 

それどころか、どんどん主人公が変わって、

ストーリーの軸も変わって、

まるで、勝っていると思ってたのに、

最後にオセロを全部ひっくり返されるような、

そんなラストが待ってます。

 

 

オセロの感覚です。

あー、白だったのにあっという間に黒になっちゃった

みたいな・笑

 

人はオセロみたいなもんでしょ?

白い面もあれば、黒い面もある。

裏返るきっかけは何か、わからない。

 

 

そして、

自分が正義だと思うことが、

誰にとっても正義ではないってこと。

「人は皆、自分の地図の中に生きている」

って言葉ありますよね。

 

自分の価値観で物事を判断すると、

時に相手を否定したり、

傷つけたりすることになる。

 

 

色々考えさせられる映画でした。

みなさんも時が合えばぜひ。