今日の撮影地は観光地として有名なタワーの展望台。
連休も終わった平日の午前、比較的入場者の少ない時間帯に短時間だけ貸し切りにしてもらっての撮影だった。
エレベーターから降りて外に出ると、秋晴れの澄んだ風が頬を撫で、足元の落ち葉を攫っていく。

 

(あれは…)


なんともなしに眺めていた落ち葉の行先。
なんともかわいらしい黄色とピンクの看板が立つ店先に、見覚えのある人影を見つけた。


「最上さん?」


「ん?、キョーコちゃんだ」


声に出した自覚もないほどに小さな声で呟いたはずが、すぐ隣にいた社さんには聞こえてしまっていたらしい。


「今日は一日オフだったはずだけど、遊びに来たのかな?」


「今日は平日ですよ」


最上さんが遊びに行くとすれば同行している相手はおそらく同じラブミー部員の彼女ではいかと辺りを見回しても、特に連れがいるようにも見えない。

これは声をかけるチャンスなのではないか。
彼女が並んでいるのは何かのキャラクターをモチーフにしたカフェのようで、店の内外にそのキャラクターの絵が描かれ、大きなオブジェも置かれている。
それを目当てに訪れているであろう客たちも開店まえであるにも関わらず、ずいぶんと多い。
最上さんも飛び切りの笑顔をまき散らしながら写真を撮るなど待ち時間を有意義に過ごしているようだ。


(あんなに全開でほにゃほにゃの笑顔を惜しげもなく振りまいて…)


周囲の男たちがチラチラ振り返っているのにも気づかず、なんだかピンク色の丸い何かを抱きしめている。

 

「アレはいったいなんなんですか」


よく見たら最上さんの持っているピンク色の物体と、看板に書かれている絵は同一人物(?)らしい。


「あぁアレか?ゲームのキャラクターだよ。お前は知らないのか?俺も子どものころやったなぁ」


「初めて見ました」


「そういえばお前の家ってアウトドア派だったな。ゲームとかあんまりやらなかったのか?」


「そうですね、あまり……」


それにしても彼女がゲームが好きだとは初耳だが。
開店時間が近づいてきたのか、コックに扮した店員が説明をはじめる。
色白な頬を些かピンク色に染めながら真剣に話を聞く最上さんは、腕の中の人形をさらにぎゅうぅっと抱きしめた。


「おいおい、まさかお前、アレになりたい。とか思ってないよな」


もしや読心術の使い手か。


「…………まさか」


「嘘ヘタか」


若手ナンバーワン実力派俳優のクセに。なんて社さんはぶつぶつ言っているが、俺は彼女のその無防備に全開で晒すその笑顔と腕の中に大事そうに抱きしめられたアイツに気が気じゃない。


「お前にアレは無理だ」


「知ってますよ。あんな形にあんな色、いくら俺でも姿形は変えられません」


「いや、それ以前の問題だぞ」


「どういうことですか?」


開店時間になったようで、続々と店内に案内されていく客たち。
最上さんは入り口にある写真撮影用のセットでポーズをキメている。
その写真を後でどうにかして入手できないものかと根回しを模索することに思考の80パーセントを使用しながら社さんと会話していた。


「あのキャラクター、くいしんぼうだから」


「……勝てる気がしません」

 

いや、別にキョーコちゃんの理想のオトコがアレってわけじゃ…なんて社さんが慌ててフォローしなければいけないほどに俺は悲壮感丸出しの顔で彼女を見ていたらしい。

 

 

 

 

 

 

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こんにちは。

お久しぶりでございます。

 

 

先日某カフェに行ってきました。

私自身はゲームをしないのですが、あのピンクで丸くて食いしん坊なまんまるが大好きでなんです。

かわいかった~楽しかった~かわいかった~(*´Д`)

 

 

特に忙しく過ごしたわけでもないけれど、気づけばもう秋ですね。

前回の更新からだいたい3か月くらいですかね。←確認してない

(お話の更新は5か月ぶり」くらいでしたΣ(・口・)←確認しました)

なにか理由があったわけでもなく、ただただ書き進まなかっただけです。

今後も忘れたころにひっそりとアップされている…なんてペースかもしれません。

そういえばmamiってやつがいたな、アイツ生きてっかな…くらいの感覚で思い出したころに覗いていただければ幸いです。

 

 

 

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