作家 福元早夫のブログ

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人生とは自然と目前の現実の、絶え間ない自己観照であるから、
つねに精神を高揚させて、自分が理想とする生き方を具体化させることである

 イチゴ」について

 イチゴ(苺)は、バラ科多年草である。一見して種子に見える一粒一粒のが付いた花托(花床ともいう)部分が、食用として供される。

 

 甘みがあるために、果物として位置づけられることが多いが、草本性植物であるので、野菜として扱われることもある。

 

 通常は、可食部の表は赤色(アントシアンによる)だが、白色の品種もある。2009年に品種登録された和田初こい〈商品名・初恋の香り〉が、世界初の白色イチゴとされる。

 

「栄養素」について

 一般的なイチゴの可食部の成分は、日本の『食品標準成分表』によれば、約90%が水分であって、糖質が約10%、タンパク質食物繊維が約1%で、総カロリーは100グラム (g) で35キロカロリー (kcal) である。

 

 イチゴには、キシリトールが約350ミリグラム (mg) と豊富に含まれている。また、アスコルビン酸(ビタミンC)にも富み、その量は、みかんやグレープフルーツをも上回り、キウイ並の量が含まれている。

 

 イチゴに含まれるビタミンCは、粒の大きさにもよるが、おおよそ10粒ほど食べると、1日に必要とされるビタミンCが摂取できるといわれている。

 

 また、葉酸(ビタミンB9)や、カリウムカルシウムマグネシウムなどのミネラルも豊富である。

 

 イチゴの酸味成分であるクエン酸は、カルシウムの吸収を助ける働きがあるとされて、いちごミルクにした牛乳との食べ合わせも合理的と言われている。

 モモ 」について

 モモ(桃)は、バラ科スモモ属の、落葉低木から小高木である。また、その果実のことをいう。

 中国原産で、果樹や花木として、世界各地で品種改良されて栽培されている。には五または多重弁のを咲かせて、には水分が多く甘い球形の果実を実らせる。

 

 未成熟な果実や種子には、アミグダリンという青酸配糖体が含まれる。観賞用は、ハナモモという。中国では、邪鬼を払う力があるとされた。

 

「栄養素」について

 代表値で、可食部100グラム (g) あたりのエネルギーは、40キロカロリー (kcal) で、水分は約89 g、タンパク質は0.6 g、脂質0.1 g、炭水化物10.2 gが含まれている。

 

 その他の成分として、腸の調子を整えたり便秘解消に役立つ食物繊維ペクチンが多く含まれている。

 ほかには、高血圧予防によいカリウム、コレステロール改善によいナイアシン、抗酸化作用があるカテキンビタミンCが含まれている。

 

「薬用」について

 薬用とする部位は、種子、葉、花、成熟果実である。種子の内核は、桃核(とうかく)あるいは桃仁(とうにん)とよばれて、成熟果実の中の核を割って、種子を取り出し、天日乾燥させて調整する。

 

 葉は桃葉(とうよう)、花は桃花(とうか)とよばれて、葉は6月から7月ごろ、花は開花期に採取したものを、天日乾燥して調整する。

 また成熟果実は、桃子(とうし)ともよばれて、市販のものが使われる。

 

 種子(桃仁)は、生理痛、生理不順、便秘に対する薬効があるとされて、漢方においては血行を改善する薬として婦人病などに用いられる。

 民間療法では、桃仁1日量2 - 5グラムを400 ccの水に入れて煎じて、3回に分けて服用する方法が知られる。

 

 生理初期に刺すような痛みがあり、塊が出ると楽になるような人、ころころ便の便秘によいといわれる一方で、妊婦や貧血気味の人への服用は禁忌とされる。

 また、花(桃花)はむくみ、尿路結石、便秘に対する薬効があるとされて、利尿薬、便秘薬に使われる。

 

 民間療法では、利尿やむくみとり、便秘の改善に、1日量2 - 3グラムの桃花を400 ccの水で煎じて3回に分けて服用する方法が知られる。

 ただし、妊婦への服用は禁忌とされる。

 

 果実もまた便秘によく、のどの渇きを潤して、腹部を温める効果があるが、妊婦や胃腸に熱がある人は多食しないよう注意が呼びかけられている。

 

 葉(桃葉)は、あせも湿疹に薬効があるとされて、乾燥葉を布袋に入れて浴湯料とし湯に入れた桃葉湯は、あせもなど皮膚の炎症に効くとされる。

 ただし、乾燥していない葉は青酸化合物を含むので、換気に十分注意しなければならない。

 

 なお、シラカバ花粉症を持つ人のうちの、一定割合の人がリンゴやモモなどバラ科の果物を食べた際に、咽喉(のど)にアレルギー症状を起こすことが知られている。

リンゴ 」について

 リンゴ(林檎)とは、バラ科リンゴ属の落葉高木で、またはその果実のことである。植物学上ではセイヨウリンゴと呼ぶ。

 

 に、白または薄紅の咲くとの関わりは古く、紀元前から栽培されていたと見られて、16世紀以降に、欧米での生産が盛んになって、日本においても平安時代には書物に記述がみられる。

 

 現在、世界中で生産される品種は数千以上といわれて、栄養価の高い果実は生食されるほかに、加工してリンゴ酒ジャムジュース、菓子の材料などに利用されている。

西洋美術、特に絵画では、モチーフとして昔からよく扱われる。

 

「栄養価」について

 果実は、ブドウ糖果糖蔗糖などの糖類と、リンゴ酸クエン酸酒石酸コハク酸などの有機酸のほかに、ペクチンフラボノイドクエルセチン)、ビタミンAB1Cプロリンなどのアミノ酸、その他に、芳香物質を含んでいる。

 

 食物繊維やビタミンC、カルシウム鉄分カリウムが豊富で、カリウムは高血圧予防によく、食物繊維のペクチンには、整腸作用がある。

 

 有機酸や糖によるのどの渇きを止めて、清涼作用の効果と、タンニンがもたらす収斂作用によって、整腸・下痢止め作用がある。

 

 滋養や保健に役立つとされて、食欲増進、消化促進、下痢の予防などの、滋養保健に果実を生食するのがよく、常食すれば動脈硬化に役立つといわれている。

 

「1日1個のリンゴは医者を遠ざける」というがあるように、リンゴは栄養価が高い果実として食されてきた。

 リンゴに含まれるリンゴポリフェノールには、脂肪の蓄積を抑制する効果があるともいわれる。

 

 生産者の間では広く知られているが、5月から6月に摘果した直径3 cm程度の未熟果の一部は、秋まで土の上で腐らず残っている。この成分はポリフェノールの一種が関係していることが研究の結果明らかになった。

 

「薬用」について

 果実は、リンゴ鉄エキス、リンゴ鉄チンキなど、補血剤の製薬原料としても用いられている。

 1835年に、リンゴの木の樹皮から、フロリジンが発見されている。同じく木の樹皮から抽出されるキニーネのように、フロリジンは当初、解熱薬や抗炎症薬、抗マラリア薬として使用されていたが、後に、腎臓の近位尿細管からの、ブドウ糖再吸収を阻害する作用を持つことが分かった。

 

 SGLT受容体の阻害作用による効果であるが、フロリジンはSGLT2選択性が低く、医薬品とすることはできなかった。

 フロリジンの分子構造を改良して、SGLT2選択性を高めて、副作用を低減した薬剤が糖尿病治療薬のSGLT2阻害薬として2013年3月にFDAに認可された。

 

 日本では2014年から初のSGLT2阻害薬として、イプラグリフロジンの販売が始まり、2016年までに6種類の薬剤が流通している。なお、リンゴの果実には血糖を下げる効果はない。

 

本草綱目』第30巻においては、果実は小児の閃癖(せんへき)に良いとされていた。

薬用にする部位として、果実は林檎、葉は花紅葉(かこうよう)とも称する。

 民間療法では、胃酸過多、胃アトニー、慢性胃炎、慢性下痢症に、生リンゴ果実1個分をすりおろして食べたり、ジュースにしたり、そのまま食べる。

 

 子供は年齢に応じて量を加減する。乳幼児の下痢に、すりおろしたリンゴ果実の果汁を飲ませるとよく、下痢が止まったら母乳、ミルクに切り替えるとよいといわれている。

 

 アメリカ北東部のバージニア州周辺では、りんご酢蜂蜜を加えたものが保健飲料として、昔から飲まれている。あせもには、乾燥させた葉50グラムほどを、浴湯料にして布袋に入れてから、風呂に入れる。