ロベール・アンリコ監督作品
「冒険者たち」。






観はじめて
映画「明日に向って撃て!」の雰囲気に
似ていると思ったら、本作がもとで、
影響を与えているとのこと。


男性2人に女性1人の関係は
フランス映画お得意分野。
(「突然炎のごとく」、
「まじめに愛して」等々)


美青年アラン・ドロン、
中年の魅力リノ・ヴァンチュラの
コントラスト。

2人の間を揺蕩う
可憐なジョアンナ・シムカス。



夢を追いかけて
眩しい海へと旅立つ3人。

冒険とノスタルジックな哀愁。

お互いを尊敬し、想い合い、
形に捉われない特別な関係。



戦後の影も軽やかに漂わせ、
なんとも言えない
切ない気持ちにさせられる。


観終わり感は爽やかだ。



イカロスのように
太陽へ近づこうと羽ばたきながら、
自らを焼きつくす青春は、
しかし惨めではない。

飽くまで軽快で清々しく、
しみったれていない。
愚痴も弁明も後悔もない。



彼らは一瞬であっても
夢を勝ち得た王者であり、
その輝きは永遠である。


幸せが留まらず、すぐに過ぎ去っても、
想い出は残る。


夢は、終わらない。





ロマンティックな男女の機微に
説得力を持たせるヒロインは、
登場していないシーンでも
存在感を放っていた。


シムカス扮するレティシアは
名前も麗しく。

派手すぎない端正さ、
夢見るような透き通る瞳、
スラリと長い脚。


フランス女優の美脚には
知性的な色気があり、
ミニスカートがとてもクール。


ファッションも眼福💕








アンリコ監督の「若草が萌える頃」、
「オー!Ho!」にもシムカスは出演。


邦題「若草が萌える頃」は微妙だなぁ、
原題"Tante Zita" (伯母ジータ)で
良いと思うんだけど。









女子大生が、
大好きな伯母の危篤に動揺し、
夜のパリを彷徨い歩く。
 

嘆き悲しみ、
気が立っている見目好い娘は、
自由奔放な振る舞いで周囲を惹きつける。


すれ違う男性を
次々と無意識に虜にしながら、
真夜中を駆け抜ける若いエネルギー。


途中から、もう帰宅しなよ、
と突っ込みたくなるが(笑)



計算のない純粋な無軌道さ、
危ういようで流されない
自我の強さに観客も魅了されそう。


周りがつい甘やかしてしまう美女は、
個性を大事に媚びず、
実は精神が自立しているのかもしれない。



真のモテ!
 






男女間に野暮な説明はしない、
目と目の会話、
映像で魅せるヨーロッパ映画が好き☺️


説教くさくなく、
欲動礼賛なフランス映画が好きだ。


自由の責任は自分で負う。




アンリコ監督は
映画「追想」が素晴らしかったので、
他作品も鑑賞中。



「追想」は火炎放射器が登場する
壮絶な復讐映画で、
タランティーノ監督も「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」で
オマージュしている模様。 




現実で役に立つ情報を得るためではなく、
美しい夢に酔うため
映画を観る時間を大切にしたい🌹✨ 






via 松永 紀見子 SINGER
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