横浜市中期計画2022~2025(素案)についてのパブリックコメント
政策26 人を惹きつける郊外部のまちづくり
この中で、旧上瀬谷通信施設地区の土地区画整理事業と2027年国際園芸博覧会(以下花博)のことが書かれている。この二つは同じ地区であり連動しているものと考える。まず花博については、新型コロナウィルス感染症の拡大以前に計画されたものであり、集客目標や感染対策などについて、大きく見直さなければならない。会場までの人員輸送手段として、新交通システムの導入が計画されていたが、費用対効果の面で大きな問題があることは明らかである。また花博開催に向けて道路整備が必要となり、街路樹の伐採が余儀なくされるなど自然破壊の問題がある。「花と緑があふれ農が身近にある豊かな暮らしの実現」という花博開催目的に逆行して、貴重な自然を失う商業的なイベントになってしまう恐れが大きい。イベントに使われた花は時期が過ぎれば捨てられる。花とはそういうものと割り切る人も多くいるだろう。しかし人間の商業活動のためのイベントで、大量に生産して大量に消費して大量に捨てられる花や緑を目にすれば、これが持続可能な社会のあるべき姿とは到底思えない。SDGsの観点からも、横浜市は花博の予算や規模の大幅な縮小を行い、本来の自然環境保護の目的に沿ったイベントになるように抜本的な計画の変更を行うべきである。
旧上瀬谷通信施設の土地区画整理事業については、土地利用で4つのゾーンが設定されている。観光・賑わいゾーンが中心となり、周辺に農業振興地区、物流地区、公園・防災地区を配置する計画がされている。中心となる観光・賑わいゾーンはテーマパークを核とした複合的な集客施設を立地させるとしている。今、テーマパークでの集客を中心に据える町づくりを計画することは、適切だろうか。日本はこれから人口が減少して、高齢化がさらに進行していく。街中の商品は外国製品が多くを占めるようになり、経済活動も長期停滞傾向に向かっていく。コロナで外国人観光客は激減して、感染が収まったとしても観光客はテーマパークというよりも、日本の歴史や自然に触れることが一番の目的という調査報告がある。こうした状況を見れば、バブル期のようなテーマパークを核とした開発は失敗に終わることは目に見えている。旧上瀬谷通信施設の土地区画整理事業は、地権者の意見だけではなく、広く横浜市民や有識者から意見を聞き、SDGsの観点からも抜本的に計画を見直すべきである。