私は北条早雲の子・幻庵です。
(早雲は最初は伊勢新九郎盛時と名乗っています。)
東軍の指揮官である細川勝元殿は自軍の強化で今川氏を味方に引き留めるため、今川氏の当主・今川義忠殿と盛時の妹・桃との縁組みを勧めてきました。
盛時の父・盛定はこれを受け、桃にこのことを話ました。
盛定「桃、よいな?今川義忠殿の元へ嫁ぐのじゃ。」
桃「わかりました。」
妹思いの盛時は気丈に振る舞う桃が心配でなりません。
盛時「桃…よいのか?」
桃「御家を繋ぐのが桃の役目にございます。それに今川義忠殿はこの室町御所でお会いしたこともございます。」
盛時「そうか、既に会っておったか。」
桃「兄上こそ大丈夫でございますか?桃がいなくなってお寂しいのではありませぬか?」
盛時「ふっ、何を言うか!(笑)」
翌日、盛時は義忠殿に会いにいきました。
義忠「これは盛時殿⁈ 」
盛時「義忠殿、出陣の準備ですか?」
義忠「細川勝元殿の要請で駿河国に帰ることになりました。遠江国の西軍を撹乱してまいります。」
遠江国は西軍の斯波義廉さんが守護だったよ。そこを攻めるために義忠さんは帰国するんだね…ってことは桃ちゃんも連れていくんだね。
盛時「義忠殿、妹を…桃をよろしくお願いします。」
そういうと盛時は頭を下げました。
義忠「盛時殿…いや義兄上、頭をお上げください。わかりました。桃を大切に致します。」
盛時「戦乱が続いております。御身も大事に。」
義忠「かたじけない。…しかし我が身に万一があった時は今川を頼みます。」
この時点で今川義忠には後を継ぐ子がいなかったんだよね。
盛時「わかりました。お気をつけて。」
盛時は義忠殿に好感を持ちました。
この頃、将軍・足利義政様は追放されていた伊勢貞親殿を呼び戻していました。義政様としては側近である貞親殿が必要だったのです。
このことは東軍の大将である足利義視様に不信感を持つことになったのです。
義視「私を追い落そうとした貞親をなぜ呼び戻すのだ…?兄上は何を考えているのだ。」
義視様は孤立していきました。そして…
義視様は出奔したのです…。
つづく…
次回をお楽しみに〜