私は北条早雲(ほうじょうそううん)の子・幻庵(げんあん)です。
(早雲は最初は伊勢新九郎盛時(いせしんくろうもりとき)と名乗っています。)
駿河国へ向かう途中に野盗に襲われた盛時は馬に乗った2人に助けられました。
盛時「おまえは…小太郎(こたろう)!」
小太郎「へへっ、覚えていてくれたかい。」
盛時「ではもう1人は、新次郎(しんじろう)か?」
小太郎「そうだよ。」
以前、京で盗みを働いていたところを盛時に助けられた兄弟だったのです。
小太郎「盛時さんに助けられた後、関東に行ったんだけど、食うや食わずのところを忍びの集団に助けられたんだ。」
盛時「なんと、忍びになったのか?」
小太郎「うん。忍びの修行をしたんだ。いずれは盛時さんに仕えようと思ってたから…。」
盛時「わしに仕える?」
小太郎「盛時さんは俺たち兄弟を助けてくれた。民のことを思ってくれている。そんな盛時さんを今度は俺たちが助けたいんだ。」
そこへ馬に乗った新次郎がやってきました。
新次郎「野盗は逃げたよ。でも盛時さんに付いていた武士は…。」
盛時「…死んだか。」
小太郎「盛時さん、あの野盗は強盗だけを働く野盗じゃないよ。今川の後継争いに関係してる奴らだよ。」
盛時「何⁈ …おまえたちはそれをどうして知っているのだ?」
小太郎「今川の争いはこの辺りじゃ有名だからね。今川の奥方は盛時さんの妹さんだし、いずれ盛時さんが駿河国に来るんじゃないかなって思って調べていたんだ。」
新次郎「あの野盗らは小鹿範満(おしかのりみつ)の一派だよ。」
盛時「そうか…ともかく助かったぞ。2人とも、この先もわしに仕えてくれるか?」
小太郎「はい!もちろんです。殿!」
盛時「殿?」
新次郎「盛時さん…いや盛時様はオイラたちの殿様だよ。」
こうして盛時は2人の忍びを従えることになりました。
守護大名は忍びを抱えていたからね。忍びといえば伊賀や甲賀…そして風魔。この2人は風魔かな〜?
盛時は駿河国の小川郷の妹の桃と龍王丸(たつおうまる)がいる館に入りました。
桃「兄上!」
盛時「桃!無事であったか?」
桃「はい!龍王丸も無事です。」
桃は盛時の胸で泣きだしました。久しぶりの兄妹の再会です…。
つづく…
次回をお楽しみに〜