私は北条早雲(ほうじょうそううん)の子・幻庵(げんあん)です。
(早雲は最初は伊勢新九郎盛時(いせしんくろうもりとき)と名乗っています。)
1487年、盛時は駿河国の石脇城で小鹿範満(おしかのりみつ)討伐の兵を挙げました。
盛時「皆!よいか!夜陰に紛れて出陣致す!そして今川館に夜襲をかけるのじゃ!一気に事を決するぞ!」
盛時は兵を動かしました。
今川館は後に徳川家康(とくがわいえやす)さんの領地になった場所なんだ。江戸時代には家康さんが駿府城を築いたんだよ。
盛時らは今川館に着き、館を包囲しました。
盛時「かかれ!!」
盛時のかけ声で兵らが一気に今川館に襲いかかりました。
範満「なっ、何事か⁈ 」
範満の家臣「殿!龍王丸の兵と思われます!」
範満「何ぃ!こんな急に攻めてくるとは!おのれ〜!押し返すのじゃ!」
範満の家臣らは防戦しましたが盛時の兵らに館の門を破られました。
盛時「範満を探すのじゃ!範満はどこじゃ⁈ 」
盛時の声は館の奥にいた範満に聞こえました。
範満「あの声は…伊勢新九郎盛時か。くそっ〜ぉ。もはやこれまでか⁈ 」
ドンッ!!
そこへ盛時が戸を蹴破り入ってきました。
盛時「範満!見つけたぞ!!」
範満「おのれ、盛時!夜襲とは卑怯者め!」
盛時「卑怯はそなたじゃ!龍王丸が元服の歳になったにもかかわらず、約束を破り家督を返さぬとは!」
盛時は太刀を振り上げましたが、範満は後ろへ下がり小太刀を抜きました。
範満「おのれの始末はおのれでつける!見ておれ!!」
ザクッ!!
範満は自らの首を斬って自害したのです。
盛時「範満、見事な最後であった!」
そう言って盛時は範満の首を討ちました。
盛時の夜襲は成功したのです…。
つづく…
次回をお楽しみに〜