私は北条早雲(ほうじょうそううん)の子・幻庵(げんあん)です。
(今回より伊勢早雲(いせそううん)と名乗っています。)
早雲は伊豆国で善政を施行すると、国人や民が続々と早雲に従ってきました。
そんな早雲に接近してきたのが扇谷上杉家(おうぎがやつうえすぎけ)の上杉定正(うえすぎさだまさ)殿でした。
早雲と扇谷上杉家とは、かつて今川氏の家督争いで対立した過去がありました。
今の今川氏の当主・今川氏親(いまがわうじちか)さんと小鹿範満(おしかのりみつ)さんが家督を争った時のことだね。氏親さんには早雲さんが付き扇谷上杉家は範満さんに付いたんだよね。
早雲「今さら、わしに味方をせよとは…。」
この頃、上杉定正殿は関東管領の山内上杉家(やまのうちうえすぎけ)の上杉顕定(うえすぎあきさだ)殿と戦をしていたのです。
この両上杉家の戦を長享の乱っていうんだよ。
早雲は定正殿の申し出を受け同盟を結びました。
小太郎(こたろう)「御館様、なぜ扇谷上杉家と同盟を?伊豆国をまとめるのが先じゃない?」
早雲「定正殿の申し出を断ると伊豆国の平定が困難になってくる。わしに敵対する伊豆の国人が扇谷上杉家に付くかもしれん。そうならない為の同盟だ。」
小太郎「そうかぁ。逃亡している茶々丸(ちゃちゃまる)が扇谷上杉家に逃げ込む可能性もあるもんね。」
早雲は伊豆国の平定を進めつつ、扇谷上杉家と同盟し戦に加担しました。
1494年、早雲は定正殿の要請により上杉顕定殿と戦うために武蔵国高見原に出陣しました。
定正殿は荒川を渡河しようとしました。
しかし、定正殿は落馬に亡くなってしまったのです。
早雲「なんと!定正殿が落馬で死ぬとは…。」
小太郎「周りの人たちは定正殿が暗殺した太田道灌殿の亡霊か落馬させたって噂してるよ。」
太田道灌さんは定正さんの家臣だったのに定正さんに騙されて殺されたんだよね。
これを見て早雲は伊豆国へ帰還したのです。そして扇谷上杉家の弱体化を予想し離反を考え始めました。
その頃、逃亡していた前・堀越公方の茶々丸の居所がわかったのです…。
つづく…
次回をお楽しみに〜