私は北条早雲(ほうじょうそううん)の子・幻庵(げんあん)です。
早雲の軍は前の堀越公方、茶々丸(ちゃちゃまる)の居る深根城近くまで来ました。
小太郎(こたろう)「御館様、この辺りの家が…壊されてます。」
早雲「うむ。わしの命で新次郎(しんじろう)と配下の兵がことごく破壊した。わしに従わなかった報いだ。」
早雲は高札で「従えば本領を安土。拒否すれば家を荒らす。」と通達したとおりのことを実行したのです。
そして軍勢は深根城に到着しました。
すると早雲は城に向かい、大声を上げたのです。
早雲「城内の兵に申す!茶々丸を渡し、武器を棄て、わしに降れば命は助ける。しかし拒否するなら城内にいるもの、老若男女ことごく討つ!これが最後の通告だ!」
早雲は一刻の猶予を与えました。
しかし、城からは何の返事もなく、誰も出て来ません。
早雲は決心します。
早雲「……致し方あるまい。皆の者!埋めよ!!」
早雲の兵は深根城を守る堀を埋め出したのです。
埋めるために使ったのは破壊した家屋の残骸でした。
みるみるうちに堀は埋まっていき、城へ入れる道が出来たのです。
早雲「よし!皆の者!かかれ!!」
早雲の軍勢は次々と城内に攻め入りました。
早雲の攻めに対し深根城の関戸吉信(せきどよしのぶ)殿は防ぐ手立てはありませんでした。城内の茶々丸は慌てふためいたのです。
吉信さんは茶々丸さんに仕えていて、深根城に匿っていたんだ。
茶々丸「ひえ〜っ!誰もわしを助けに来ん!」
吉信「公方様!逃げてくだされ!持ちこたえます。」
茶々丸「たっ、頼むぞ〜!」
関戸氏の兵は果敢に戦いましたが、ことごとく討ち死にしていき、ついには関戸吉信殿も討ち死しました。
勝敗は決したのです…。
つづく…
次回をお楽しみに〜