私は北条早雲(ほうじょうそううん)の子・幻庵(げんあん)です。
(早雲は伊勢早雲(いせそううん)と名乗っています。)
1510年、早雲の調略により扇谷上杉朝良(おうぎがやつうえすぎともよし)殿から離反した上田政盛(うえだまさもり)殿は権現山城(ごんげんやまじょう)で挙兵しました。
早雲は後詰めとして出陣し住吉城(すみよしじょう)を築きました。
住吉城は早雲さんが自然の地形を利用し築いた山城なんだよ。
早雲らの動きに対し扇谷上杉朝良殿は山内上杉家(やまのうちうえすぎけ)から援軍を得て反撃に出たのです。
さらに朝良方の東相模の三浦道寸(みうらどうすん)まで挙兵してきたのです。
早雲「三浦まで出てくるとは…。権現山城内には民もいる!」
新次郎(しんじろう)「おいらが民を城内から逃がしてくるよ。」
早雲「しかし、朝良の軍勢が迫っておるぞ。」
新次郎「大丈夫!民を守るのが御館様のやり方、おいらも同じだよ。行ってくるよ!」
新次郎はそう言って飛び出して行きました。
早雲「新次郎っ、うっ…。」
バタッ!
止めようした早雲はその場に倒れたのです。
権現山城では上田政盛殿が攻めてきた朝良殿の軍勢に激しく抵抗しましたが…陥落し、政盛殿も討死してしまったのです。
その頃、早雲は目を覚ましました。
早雲「うっ、わしは……。」
小太郎(こたろう)「御館様、大丈夫かい?御館様は突然倒れたんだよ。」
早雲「…そうか。権現山城は、新次郎はどうなった⁈ 」
小太郎「権現山城は落ちたよ。でも城内にいた民は無事逃げたんだ。でも弟の新次郎は…敵の矢にかかり、死んでしまった…。」
早雲「新次郎が……。」
小太郎「御館様…今は体を労って。弟は民を守ったんだ。本望なはずだよ…。」
しかし、早雲に気落ちする時間はありませんでした。
住吉城に三浦道寸の軍勢が迫っていたのです…。
つづく…
次回をお楽しみに〜