対決!桃太郎VS金太郎 | 夜汽車の汽笛への憧情

対決!桃太郎VS金太郎



駄ネタです。

我が家に「桃太郎」ことEF210と、「金太郎」ことEH500が揃ったので色々比較してみます。

左側が桃太郎、右が金太郎です。
どっちもカッコイイですね。

桃太郎は川重+三菱のコンビで製造された、直流用のF級の機関車です。
出力は3390kw、30分定格では3540kwを誇ります。国鉄形の機関車EF66よりは若干低めの数字ですが、トータルの性能としては劣るものではなく、高速貨物列車の先頭に立って、主に東海道・山陽本線で活躍しています。
特に深夜にコキを連ねて110Km/hで疾走する姿は頼もしいと言えるでしょう。
EF200形が出力過大でその性能を持て余したのを教訓に、EF66の高速性とEF65の扱い安さを両立させたバランスの良い性能で、大量生産されて103機の多数派を誇ります。
現在でも300番台が製造されており、今後も老朽化の進んでいるEF65を置き換えて行くことでしょう。

一方、金太郎は東芝で製造された、交直両用の機関車で、2車体1両の巨体を誇るH級の機関車です。
険しい東北の山道を1000tもの貨車を牽きながら高速で走破するため、出力は4000kwのハイパワー、30分定格では4520kwを誇ります。
金太郎の名に恥じない力持ちと言えるでしょう。
コンテナ車やタンク車を引き連れて主に東北本線で活躍し、先代のED75形重連を上回るパワーで勾配を駆け上がる姿は力強いと言えるでしょう。
EH500は、交直両用としては先に開発されたEF500やED500がパワー過大や誘導障害等の課題がクリアできず試作機が作られたのみで終わったのに対し、EH500は試作機を製造してから3年間じっくり熟成の後、JR形の交直両用機関車としては初めて量産に漕ぎ着け、現在では東北本線の黒磯以北の貨物列車の主役どころか、独り舞台となっています。また、交直両用でハイパワーという特性は西の関門トンネルを挟んだ区間でも発揮され、北九州~福岡では1300t列車の先頭に立って活躍をしています。
82両とJR貨物の新造機としては多数派であるものの、置き換え対象のED75は既に貨物からは引退していることと、老朽化の進むEF81には汎用性の高いレッドサンダーことEF510による置き換えもあり得るため、今後増えるかどうかは微妙なところでしょうか。

桃太郎と金太郎は、JR貨物の機関車としては共にベストセラーと言えますが、その内容については大きく異なります。
桃太郎は試作機の901号機と量産初期型の0番台はインバータ素子にGTOを使用しています。
桃太郎の登場した1996年はまだIGBT素子を使ったインバータの黎明期で、GTO素子の方が主流でした。間もなくIGBT素子を使ったインバータが主流となり、桃太郎も100番台が登場。こちらが73両も製造され、主力となります。
100番台は初期にはパンタグラフに下枠交差式のPS22を使用していましたが、途中からシングルアームの物に変更されています。
その後、瀬野~八本松間で補機として活躍していたEF67が老朽化していたため、同区間で補機として使用できる300番台も製造されています。この様に、桃太郎は見た目・仕様とも大きな変更を繰り返したと言えるでしょう。
一方で、金太郎の方は試作機からIGBT素子を使ったインバータを使用しており、量産機も受け継いでいます。量産機の初期型では見た目の変更が頻繁に行われたものの大きな仕様変更はなく、15号機以降はほとんど見た目の変化がありません。パンタグラフも一貫してPS22を使い続けており、桃太郎と比べてバリエーションは少ないと言うべきでしょうか。

デザインを比べてみましょう。
製造の担当と運用イメージが異なるためか、そのデザインも大きく異なっています。
桃太郎はEF66のイメージを受け継ぎつつもスマートな姿です。
実は交直両用の試作機EF500形の担当が桃太郎と同じ川重+三菱で、運転台上の庇やヘッドライト形状にそのEF500の面影が残ってたりします。
一方、金太郎は直線的な厳つい姿が特徴的です。東芝はJR貨物の機関車としてはこのEH500が初参入で、デザインも独自色が強くなっています。
なお、ヘッドライトは川重+三菱のものがその後のJR貨物の標準となったようで、15号機以降は桃太郎と同じヘッドライトになっています。
(その後、青函トンネル用のEH800が、金太郎初期型と同じヘッドライト形状になったのは意外でしたが。)

桃太郎のサイドビューです。
車体長はF級機としては大きめの18.2mで堂々としたもの。これはEF66と同じです。
機器室部分の高窓は小判型で、EF200から受け継だような雰囲気もありますね。
乗務員扉は窓の隅にRのないシンプルなものです。全体的に整っており、正統派ヒーローなイメージがあるように思います。

金太郎は2車体だけに、25mと巨大です。
機器室部分の側面の高窓はEF65などの国鉄形電機と似た意匠になっているのが面白いですね。
乗務員扉の窓は、国鉄形と同じ角にRのあるものになっています。
運転台周りも直線を組み合わせたゴツいイメージで、力強いマッチョなイメージがあるように思いますw


性格の色々異なる桃太郎と金太郎ですが、どちらもお洒落なロゴマークが付いているのが特徴的です。
桃太郎は筆書き風の書体で、桃の字が桃色になっているのがなんともお洒落です。
よく見ると桃の字の点が桃の果実の形をしているのも楽しいですね。

一方、金太郎の方は何と言っても目を引くのがロゴマークに付いている金太郎イラストでしょう。マサカリを構えるその姿は力強そうなイメージそのものです。

屋根上の比較です。桃太郎はスマートですが、金太郎は屋根上もゴツゴツしています。
金太郎と同じ交流両用でもEF510はもう少しスマートなので、メーカーのキャラクターが現れたと言うべきでしょうか。
金太郎の方は運転台屋根上にエアコンユニットの姿も見えますね。桃太郎の方は室内に収まっているため、エアコンユニットは見えません。

以上、桃太郎と金太郎を色々比較してみましたw

最後に、EF510も乱入して我が家のインバータロコ並びを一枚。
国鉄形も良いですが、新世代機関車も良いものですねぇ。