TOMIX209系1000番台を入線整備した | 夜汽車の汽笛への憧情

TOMIX209系1000番台を入線整備した

いつもご覧いただきありがとうございます。

予告どおり、209系1000番台の入線整備を実施しました。

先日入線してきたTomix209系1000番台です。
ワイドボディではないストレートのステンレス車体にオレンジ帯というのは新鮮です。

入線整備前の状態です。
アンテナと列車無線アンテナだけ付けた状態です。
このままでも十分カッコいいですが、表記類が全くありません。

カプラーも昔ながらのアーノルトカプラーです。せっかくのTomix製ですので、ボディマウント式TNカプラーに変えてあげます。

まずは窓のステッカーから貼っていきます。
優先席、ドアステッカーに加え、東京寄り先頭車には女性専用車ステッカーを付けました。

さて、優先席とドアステッカーは実車に合わせて内貼り式のステッカーを使用しましたが、女性専用車のステッカーも実車が
このとおり、窓の内側に貼ってあり、スモークガラスの209系では暗く見えます。
よって・・・

むりやり内貼り式にしましたw
薄い透明プラ板にステッカーを貼り付け、窓の裏側から木工ボンドで接着しています。
わりとそれっぽい雰囲気になったと思います。

クハに関してはさらに・・・


後天的改造により車体中央の窓が二段窓に改造されていますが、この部分の縦ピラーは銀色になっています。模型は上の写真のとおり黒ですので・・・


薄い0.5mm幅のプラストラップを銀色に塗り、接着して銀色のピラーを再現しました。

カプラーもTNカプラーに交換しました。

窓のとカプラーの加工が終わったらこんどは行き先表示と表記類です。
行き先と編成番号ステッカーをつけます。
これらを付けると模型に「魂が入る」ような気分になります。黒い顔に白の編成番号札は良いアクセントになりますね。
行き先は「快速東京」にしました。豊田行きのほうが「らしい」感じもしなくもないですがw


車番と表記も入れます。
ナンバーは81編成こと、クハ209-1001以下の編成にしました。
所属表記は製品に付いていないので、銀河モデルのものを使用しました。
銀河モデルのインレタにエンド表記もありましたが、オーバースケールだったのと、実物も非常に小さく目立たないので、敢えて使用しませんでした。

号車番号と、2・9号車にはフリースペース表示も入れます。中央線のフリースペースは通常1・10号車ですが、移籍車らしく変則的な位置になっています。


4号車には弱冷房車表示も付けます。
これも良いアクセントになりますねw

一通り入線整備が終わりました!
やはり良いですねぇ~。

最後に、209系1000番台について軽く解説します。
JR東日本209系は、平成4年に登場した次世代通勤形電車の試作車、901系をベースに量産仕様として平成5年に登場した電車です。(901系は後に209系に900~920番台として編入されています。)
「価格半分、重量半分、寿命半分」をスローガンに様々な工夫が行われ、従来の電車とは異なった設計思想、工法をとり、その後の国内の電車よ設計思想に大きな影響を与えました。
JRの電車としては初めて本格的にVVVFインバータ制御を採用しており、低容量のモーターを過負荷使用し、インバータも比較的安価な容量低いものを多く採用することでコストを下げることで、これまで高価となりがちだったインバータ電車の価格を下げ、インバータ制御の普及に大きな影響を及ぼしています。
209系は量産形式ながら試作要素も強く、様々な意味で「尖った」仕様になっていたため、その後登場するE231系やE233系では運用実績をフィードバックして熟成されて行くことになりました。
さて、209系1000番台は地下鉄千代田線乗り入れ用として平成11年に登場した、209系としては最後発のグループです。前回の投稿でも書いたとおり、幅広車体の500番台同様、E231系の設計思想を先取りして採用しています。このため0番台と同じ狭幅車体ながら、細かな部分で0番台との差違が見られます。外板も0番台より厚めのものが使用されているようで、0番台では経年と共に顕著に見られた外板の歪みが殆ど見られません。
地下鉄乗り入れ用のため、前面には非常扉が設置されているのが特徴で、他の209系と大きく異なる意匠になっています。なお、この後に地下鉄東西線乗り入れ用として登場したE231系800番台がほぼ同じデザインで登場しています。
インバータは0番台と同じGTO素子を使用したSC41Dですが、モーターはE231系に使用されている改良形のMT73を使用しています。
地下鉄乗り入れ用のため、加速度は3.3km/h/sと高くなっており、これに合わせてMT比も6M4Tと電動車比率が高くとられています。
設計最高速度は0番台同様の110km/hですが、常磐緩行線自体の最高速度は90km/h、千代田線はそれ以下でした。
さて、209系1000番台の細かな生い立ちについては前回投稿のとおりで、松戸に配置されて常磐緩行線・千代田線で活躍していましたが路線環境の変化と中央線で電車の不足が発生したことにより、平成30年に中央快速線用として豊田電車区に転属しました。(運用は平成31年3月改正から)
あくまでE233系のトイレ・グリーン車の整備の穴埋めと言うことで転用改造は最低限にとどまっていて、帯色の変更や保安機器の変更、前面非常扉閉鎖などのみとなっています。後輩のE231系ですらインバータ機器の更新が行われる中、209系1000番台は相変わらずGTO素子のインバータのままで、独特の走行音を中央線で楽しむことができるようになりました。
特筆すべきは加速度も地下鉄乗り入れ用のままの高いままになっていて、209系らしからぬキビキビした加速を見せます。
特殊な車両と言うことで積極的には使用せず、通常は東京~高尾間の快速に限定運用されており、平日は午前中のみ。休日は午後に豊田~東京を1往復するのみとなっています。
ただし、大きなダイヤ乱れ等で運用の変更が発生した場合に特別快速や青梅線直通に使用された実績があったりします。


中央線のグリーン車使用開始は2023年となっており、209系1000番台の中央線での活躍はおそらくそこまでとなるでしょう。
この変わり種の電車の活躍はさほど長くはなさそうですが、しっかり見届けていくと共に、模型では末永く活躍させていきたいと思います。