マッコウクジラを捕まえたw | 夜汽車の汽笛への憧情

マッコウクジラを捕まえたw

毎度ご覧いただきありがとうございます。

先日、いつも使っている鉄道模型店にグリーンマックスのマニ44形を買いにいったつもりだったのですが、こんなものを捕まえてきてしまいましたw

営団3000系。地下鉄日比谷線の初代車両で、額が広く丸っこいスタイルから「マッコウクジラ」の愛称で呼ばれていました。
なるほど、頭のイメージがまさに「マッコウクジラ」です。
ホンモノのマッコウクジラは深海を泳いで生活するそうですが、こちらのマッコウクジラは東京の地下を泳いでいたわけですねw

入線したのは基本と増結の8両フル編成です。
営団3000系は東武乗り入れ対応車、東急乗り入れ対応車、両方対応車がありました。
また、営団3000系のドアは登場当初は大きな窓でしたが、子供の手が戸袋に引き込まれる事故を防止するため、昭和43年度製造車からドア窓がこの模型の様な小さなものに変更され、大窓のものも昭和51年以降順次小窓に交換されました。中間車の一部は製造時から小窓でしたので、結構長い間編成中に小窓と大窓が混在する編成が見られました。
今回の編成は、ドア窓が全て小窓で東武乗り入れ車対応という、昭和50年代末頃~引退までで一番多数派のオーソドックスなモデルになっています。

早速付属品の無線アンテナを取り付けました。
この棒状アンテナは東武無線アンテナのものです。
行き先表示と運行番号は印刷済でした。
自分としては、運行番号は札を室内から下げている時代のものにしたかったのですが。
クロスポイントからステッカーがでており、GMストアの秋葉原店で在庫を確認できたので、追々検討する事にしましょう。

サイドビューです。
ドア窓、側窓ともに小さいのが如何にも当時の営団車らしい趣です。
およそスマートとは言い難いですが、いかにも「トンネルの中ばかり走る電車」といった雰囲気が好きでした。
それにしても、この鉄コレは営団3000系の特徴をよく掴んだ良品です。特にドアの表情は他社製の営団3000系より実物に近い様に思います。
なお、パンタグラフは製品指定ではTOMIXのPG16となっていましたが、形がより実物に近いPT4212Sを付けました。

走行化キットも購入済み。
これからジワジワ入線整備していきます。

鉄コレなので、自ずと入線整備のメニューは多くなっています。
・付属のアンテナパーツ取り付け
・パンタグラフの交換
・走行化パーツの適用
・動力ユニット組込
・カプラー交換
・ドアおよび窓のステッカーのレタリング

昔の電車なので、方向幕などのステッカー取り付けが要らないのはちょっと楽ですかねw
ちなみに現在はメニューの内上2つは完了。走行化パーツ以下は一部実施状態です。

一次整備は以上ですが、追々内装整備や電飾もしていきたいところです。

最後に、恒例の軽い実車解説です。

営団3000系は昭和36年に登場した、地下鉄日比谷線用の電車です。
車体はスキンステンレス(台枠等は普通鋼を使用し、車体外板のみステンレスを用いている)となっており、当時のステンレス車らしくコルゲートが目立つのが特徴です。
上でも書いたとおり、丸みを帯びて額の広いスタイルから「マッコウクジラ」の愛称で呼ばれました。
足まわりは、駅間が狭く急勾配もある地下鉄線内に対応するため高加減速性能を満たしつつ、東武伊勢崎線と東急東横線に乗り入れるため高速走行にも耐えるオールパーパスな仕様となっていて、全電動車方式を採用。制御装置は滑らかな加速を実現するバーニア制御となっています。ギア比は6.31と高めで加速度4.0km/h/sとなっていて、営団地下鉄車(後の東京メトロ車も含む)でも随一を誇っています。
モーターは三菱製のMB-3054系(75kw)で、駆動方式はWNドライブとなっており、この時代の三菱WN車らしい比較的静かで軽快なサウンドが特徴でした。
台車はダイレクトマウント式の空気バネ台車で、軸箱支持方式は初期車は丸ノ内線の500形や銀座線の2000形同様のアールストーム式(FS336)でしたが、途中からミンデンドイツ式(FS348)に変更されました。これらの台車は製造上の問題などから経年で不具合がおきたため、FS336の方は台車枠交換。FS348の方はSUミンデン式のFS510に交換しています。

(上写真右がFS348、左がFS510)

さて、営団3000系は当初2両編成で登場。乗客の増加と路線の延伸伴って順次2両ずつ編成を伸ばし、最終的には8両編成になっています。
上で書いたとおり、東武伊勢崎線および東急東横線と相互直通運転を行っていたため、北は東武動物公園、南は菊名までと広い範囲でその活躍を見ることができました。
もっとも、乗り入れ先ではいずれも普通列車であったため、やや地味な印象がありました。
登場以来ひたすら日比谷線の主として活躍してきましたが、世の中の時代の推移は激しく、昭和60年代には冷房もなく窓も小さい営団3000系は陳腐化が目立つようになってきました。
昭和63年に後輩の03系が登場すると、次第に置き換えられて行きました。
設備こそ時代遅れになったものの、丈夫なステンレス車体に高性能の足まわりはまだまだ使用できたことから、一部が長野電鉄へ移籍したほか、他の私鉄の中古車と営団3000系の床下機器を組み合わせて活躍するケースも多く見られました。
その後も暫く03系に混じって活躍していましたが平成6年に全車が日比谷線から引退しました。
なお、引退直前には愛称となったマッコウクジラのラッピングが施され、さよなら運転も行われました。
さて、長野電鉄に移った電車は3500系を名乗り、現在(令和元年7月)も活躍を続けています。
さすがに半世紀以上の活躍で老朽化が進んでおり、一部は廃車になっています。今後も3年程で新車に置き換えられることが決定しており、現役で活躍する姿も後少しとなりそうです。
そんな中、営団時代に元トップナンバーだった3001と3002号車は長野電鉄で引退後東京メトロに里帰りし、今では古巣の千住の車庫で動態可能な状態で眠っています。

営団3000系はどちらかと言えば大人になってからその魅力に気付いた電車ですが、愛嬌のある丸みのある姿や窓が小さい「営団地下鉄らしい」雰囲気が好きで、友人と一緒に引退寸前にお別れ乗車に行ったものでした。
東武線や東急線で遭遇したときは、その「場違い」な感じに思わずニヤリとしたものです。
この様な形で我が家のラインナップに加える事ができて嬉しいです。