青いパレット荷物車入線 | 夜汽車の汽笛への憧情

青いパレット荷物車入線

毎度ご覧いただきありがとうございます。

先月は予算が営団3000系に化けてしまったマニ44形が入線しました。

グリーンマックスから先月発売された製品です。
貨車とも客車ともつかない、孤高の存在とも言えるこの荷物車。
独特な姿がよく再現されています。

今回購入したのは2両セット。
表記類もバッチリきまっていて良い印象です。

今回のマニ44形の特徴はやはり台車でしょう。
電車用のDT21と軽量客車のTR50を足して2で割ったような独特な姿ですが、マニ44形でしか使用されていません。
マニ44形は古くはグリーンマックスのキット、近年ではグリーンマックスとマイクロエースから完成品で発売されていましたが、いずれの製品も価格面等の兼ね合いで、これまでTR50で代用されてきた経緯があったりしたのです。
それが、この製品が発売される直前にモデルアイコンからTR232を付けたマニ44形キットが発売されて、ようやくNゲージのマニ44にも正規の台車が起こされ他たわけですが、それに刺激されたのか、グリーンマックスでもキット以来初めて正規の台車を履いた製品を発売してくれました。
さて、これまでのマニ44形のNゲージといえば、車高が高いのが相場となっていました。というのも、マニ44形は実車は車体裾が台車と被っているのですが、Nゲージではレール幅とスケールの関係上、実車どおりにすると台車が車体に支障して曲がれなくなってしまうのです。
今回のマニ44は台車の中梁が下げられており、グリーンマックスが頑張ってギリギリまで車高を下げた工夫の跡が見られます。

KATOのスニ41形と比べてみます。車高は若干高めですが、自分的には十分許容範囲内です。

残念ながら台車や床板は集電対応になっておらず、尾灯等の点灯化には一工夫必要です。
我が家では当面中間封じ込めにする予定です。

サイドビューはこんな感じです。
貨車然とした側面の大きなドアに、客車らしい前後のデッキと台車が絶妙なバランスです。
入線整備としてはカプラーを交換した程度です。とりあえずカトーカプラーにしましたが、貨車用の車間短縮ナックルカプラーが使えそうです。見た目重視なGMナックルも一瞬考えましたが、我が家の荷物車はカトーカプラーが多く、GMナックルとは連結不可能なため見送りました。

ここで、マニ44形について軽く解説してみます。

マニ44形は昭和53年に登場したパレット搭載対応の荷物車です。
スニ40・41形やワキ8000形の後継車種で、パレット搭載に対応した貨車同然の大型荷物引き戸を持ちつつも、前後にデッキを持たせる事で従来の荷物車同様の取り回しができるようになっているのが特徴です。
妻面は中央にHゴム固定の小窓が配置され、その下に潜り戸が付く独特のスタイルで、先輩格のスニ41形2000番台と似た印象となっています。
上の写真左がスニ41形、右がマニ44形です。
一見するとよく似ていますねw
車体幅はスニ40・41形は貨車サイズでしたが、マニ44形は客車同然の広いものとなりました。
塗装は青一色で、この点でも客車らしさが意識されたものになっています。

マニ44形は昭和53年に登場後、老朽化したマニ60形等の置き換えとパレット荷役の促進を兼ねて、昭和50年代中盤頃から勢力を急速にのばしました。昭和58年まで製造されて総勢161両となり、パレット荷物車としては大勢力になったのみならず、荷物列車自体の衰退もあって短編成化も進んだため、荷物列車の中心的な役割を担うようになりました。
スニ40形やワキ8000形と共に荷物列車を貨物列車然とした姿に変えつつ活躍しましたが、宅急便の台頭で荷物列車の衰退は収まらず、昭和61年の荷物列車自体が廃止となってしまいました。これにより一気に活躍の場を失ってしまいます。
用途のなくなったマニ44形は、車齢が若いにも関わらず分割民営化前に僅か16両を残して廃車となってしまいました。中には製造後僅か4年の短命だったものもありました。
残った16両はJR東海に継承され、ユーロライナー色に塗装されて「カートレインユーロ名古屋」号で活躍します。
カートレインでは12系改造のジョイフルトレイン「ユーロライナー」の客車と連結され、マニ44形にクルマを載せて熱田~東小倉間で運行されました。
専用のテールマークも付けられて、マニ44形としては唯一と言える華やかな舞台だったと言えるでしょうか。
カートレインは好評ではあったものの、諸々の事情により平成6年を最後に運転を終了。いよいよ用途のなくなったマニ44形は次々と廃車になっていきました。最後に残った2両は平成8年に「トロッコファミリー」号用の客車、オハフ17形に改造され、マニ44形は登場から僅か17年で形式消滅。過去帳入りしたのでした。

比較的地味で短命なマニ44形ですが、末期の荷物列車を再現するのには欠かせない存在です。
我が家でもようやく末期の荷物列車を再現する事ができるようになりました。

ところで、

マニ44形と一緒にこんなのも我が家にやってきました。

これについては「待て次号!」ですw