KATOの急行「つるぎ」セット入線
毎度ご覧いただきありがとうございます。
さて、このブログのタイトルは旧客急行にドハマりしてた頃に付けたものです。
当時は旧客急行や旧客の蘊蓄などたれていたのですが、一昨年あたりから入線するNゲージのコレクションが電車回帰していて、このところタイトルに合わない車両ばかりの紹介が増えていました。
というのも、ある程度の編成が組めるようになって、旧客の増備自体が一段落していたこともあるのです。
そんな状況ですが客車熱が完全に冷めたというわけではなく、久しぶりにタイトルにそぐわぬ夜汽車の車両が入ってきましたw
KATOの夜行急行「つるぎ」セットです。
発売から2年余り。諸々の事情で購入を先延ばしにしていたら増結セットが売り切れてしまい、ヤフオクで落札しました。
前オーナーにより基本+増結の12両ひとまとめのセットになってます。
夜行急行「つるぎ」について軽く解説しますと、かつて大阪~富山を結んでいた夜行急行列車です。大阪発の北陸方面の夜行列車は他に「きたぐに」や「日本海」がありましたが、これらが新潟以北で有効時間になるよう設定されていたのに対し、「つるぎ」は富山地区で有効時間になるよう設定された列車でした。比較的距離が短く、寝台車比率の高い「寝台急行」だったのが特徴でもあります。
昭和47年春には新潟まで延長され、その年の秋に寝台特急に格上げされました。その後も比較的地味な編成ながら北陸夜行の一柱を担っていましたが、利用客数の低下により平成6年に廃止となりました。
さて、このKATOの「つるぎ」セット、何気に小技が色々効いたラインナップになっていて、なかなか購入バリューの高いセットです。
これまでどこのメーカーからも完成品が出ていなかったモデルです。
戦前設計の郵便客車マユ34形の増備車として戦後まもなく登場した形式(厳密にはマユ34形として登場し、後に車掌室を設置したことから改形式されたもの。)であり、室内レイアウトや外観が非常に特徴的です。
「つるぎ」セットの特色はこれだけではありません。
荷物ドア間4枚窓の新製車体グループで、我が家にも既に何両か存在はしていますが
冬期寒さ厳しい日本海縦貫線~北海道乗り入れ運用車特有の仕様で、この煙突が付いたマニ60は我が家初です。
見事に小技が効いてますねw
マイクロエースからセットに含まれる形でプラ完成品はでたものの、高価なマイクロエースの客車セットゆえ入手は難ありでした。それが比較的安価なKATOのセットで出てきて一気に敷居が下がりました。
一見同じですが窓下の表記が異なっていて、「音戸」のものは昭和45年までの表記である「寝台」、「つるぎ」はそれ以降の「B寝台」となっています。昭和45年の等級制廃止による変化なのですが、スハネ30形は昭和48年までにほぼ姿を消してしまうので、「B寝台」は最晩年の僅かな期間の姿ということになります。
一見変哲もないスハフ42形ですが、それで終わらないのが「つるぎ」セットですw
貫通扉の形が異なるのが判るでしょうか。
このドアはスハフ42形の原形ドアといえるもので、KATO製品では茶色塗装のものがこのドアになっていますが、青色塗装でプレスドアは現行仕様では初となっています。
実車は検査や修繕の際にドア交換が行われ、様々なタイプのものが付いており、この製品のスハフ42形はドアの形にバリエーションのある旧型客車らしさを表現する演出と言えるでしょう。なお、製品のスハフ42形のナンバーは2152となっていますが、実車のスハフ42 2152がこのタイプだったかどうかは判りませんw
同じ北陸本線を走っていた夜行急行の牽引機がEF70形にシフトする中で、最後までED70形を使っていたのが「つるぎ」でした。
最近仲間内で北陸方面の列車がホットになりつつあるのですが、その中でも渋みの効いた一品になりそうですw
次回は今回我が家での新形式となるマユ35形について解説しようと思います。