いつだってそうだった。
初めてステージに立った14歳。
HIGH BONE MUSCLEとして初めて歌った20歳。
企画も、フェスも、ブッキングも。
東京も、知らない街も。
小さい箱からZEPPまで。
ひとつひとつ細かく思い出すのは難しいかもしれないけれど、その日の対バンやフライヤーなんかを見るとすぐに、鮮やかに蘇る。
仲間。スタッフ。メンバー。
そして、あなた。
初めて見る沢山の景色。
泣き顔。笑い顔。
汗。涙。拳。声。
全部が特別で。
いつだってそうだった。
大切な"非日常"がそこにはあった。
2020年。
それはあっという間に奪われた。
そして今も尚、奪われ続けている。
3月の終わり。
仲間のツアーから東京に帰ってすぐ、緊急事態宣言が発令された。
そこからは本当に、一瞬だった。
予定していたスケジュールは白紙に。
ライブ。リリース。発表。
全部が嘘みたいに立ち消えた。
映画みたいな世界に無理矢理押し込まれた途端、堰を切ったみたいに仲間は倒れ始め。
あなたと歌いたかった唄も、誰にも見せないまま引き出しの奥にしまい込んだ。
情報は錯綜した。世の中は惑った。
"信じる"という人に与えられた勇気さえ失いそうになった。
茫として、やり切れなかった。
色の無い厚い靄に心は覆われたまま、今はもう思い出せないけれど、灰色だった日々をどうにか、どうやってか繋いで、今になった。
"日常"が"非日常"になった。
そしてそれさえもが今は"日常"になった。
これを書いている11月14日現在。
この国は選ばなきゃ生きていけなくなってしまった共存という道を歩み始めている。
薄暗い雲がまた目の前に現れて。
そんな中、ライブハウスに人は戻り始めている。
どうしたって頭の隅を過ぎるのは、僕もあなたも同じだと思う。
笑い話で思い出すことすら出来なかったとしたら。
そういう今と隣り合わせで、僕らは生きていこうとしている。
未来に向かうため、このワンマンをやろうと決めました。
2020年。
可能性を探り続けた僕たちが、僕たちだけじゃなく、ライブハウスと見つけた形で音楽を届けます。
12月26日 夜
HIGH BONE MUSCLE
無観客配信によるコンセプトワンマンライブ
開催決定!
今はまだ、これだけ。
詳細公開はもう少し待っていて下さい。
この情報だけどうしても先に出したかったのは、あなたに知っていてほしいから。
一緒に少しずつこのワンマンを繙いていきたいからです。
人を入れ始めるライブがある中、せっかくのワンマンを無観客ですまん!
でも、期待していてほしい。
観たことのないやつ、演るので。
僕らの大切な"非日常"に潜り込んできた"日常"
忘れられる時間が流れる。
忘れたくない瞬間がある。
あのライブハウスに今もちゃんと僕たちはいる。
あなたもいて、これからもいられる。
そういう場所、作っておきます。
続報、待っていて下さい。
読んでくれて本当にありがとう。
またね。
HIGH BONE MUSCLE
Vo&Gt. 鈴木啓