サッカー人生で一番の挫折は?


取材でよく受ける質問です。


「中学時代、約2年間試合に出られなかったこと。」


僕は決まってこう答えます。


小学生の時には浜松JFCというチームで全国少年サッカー大会優勝。

ナショナルトレセンにも選んでもらいました。

すみません自慢です。(笑)


でもわずか半年後、所属チームですら、試合に出られなくなりました。


なかなかな落ち幅だと思いませんか?(泣)


当時は本当に悔しかったです。


まだ13歳、14歳だったからそのモヤモヤの対処法もわかりませんでした。


でも不思議と、辞めるとか諦めるとかって全く思いませんでした。


そんな風に話をすると記者さんは、


「それでもサッカーを辞めたいとは思わない程、山田選手は強かったんですね。」


そんなことを言ってくれます。


でも、僕は全然強くなかったです。

今も大差ないですが(笑)


練習の帰りに父親の車の中でよく、メソメソ泣いていました。


夜寝る時にベッドで1人、悔し泣きしたこともたくさんありました。

なかなかカッコ悪くて書くか迷いました(笑)


つらかったし弱かったのに、なんで投げ出そうという考えすら浮かばなかったのか。


そうゆう選択肢を思い付かないほど、僕がバカだったから?


はい、恐らく正解です(笑)


でももしも理由が他にあったとしたら、


今思い返して1番影響を受けたと思うのは、父親の言葉です。

気付くのに10年掛かりました(笑)


練習の送り迎えをしてくれる車の中で、よくこんな言葉を掛けてくれてました。


「今は体が小さいから体力の差で試合に出れないけど、背が伸びて筋力がついてくれば大丈夫。」


「こうゆう時に頑張れるかどうか。見ている人は見てるし、必ず自分に返ってくるから頑張れ。」


その時は、僕の涙を余計に誘うだけだったのですが(笑)


そうゆう言葉の積み重ねに無意識に感化されて、どうにか前向きに、好きなサッカーを好きでいられたのかなと。


そんな結論に至った今ふと思うことは、


もしあの時親父に、違う励まし方をされてたらどうだったかなってことです。


もし親父が、”コーチに見る目がない”とか、周りの何かが原因だというような励まし方をしてたら、僕は人のせいにしてふてくされてたかも。


かと言って僕自身の能力や可能性を否定されても、きっと自信を失ってしまった。


あくまで想像ですが、そう思います。


コーチや先生、仲間たちの存在は僕にとってすごく大きな存在だったし、今もそうですが、


やっぱり1番の教育者は親なんだなって、そんな当たり前のことを今感じてます。


だから、サッカーをしてる子供を持つ親御さんには、


まずは出来る限り練習や試合を見に行って、何も言わなくてもいいからそっと見守ってあげて欲しいです。


そして言葉を掛けるのなら、


誰かや何かを否定するのではなく、可能性に対する前向きな言葉を掛けてあげてください。


未来の可能性という意味で、10年後はどうなってるかなんて誰にもわからないんです。


前述のように、ジュビロの下部組織ですら試合に出られず、ユースにも上がれなかった。


そんな僕が10年後にヤマハスタジアムのピッチに立っているなんて、僕自身も想像できなかったことです。


楽観でも悲観でもなく、ただ単純に、未来というものは信じてみる価値のあるもの。


そんなことを子供に伝えられたら、それだけでも素晴らしいことだって思います。

偉そうなことばっかり言ってないで、僕も伝えられるように頑張ります。


P.S.

チームは今日勝って2連勝。


やっとエンジンかかってきたみたい(笑)


頑張ります。