Fluctuat nec mergitur
日本語にすると「たゆたえども沈まず」
水運の中心地だったパリの船乗りの言葉だったそうですが、戦乱、革命など歴史の荒波を生き抜いてきたパリ市民の象徴となっていき、この標語は特に2015年のパリの同時多発テロの直後、パリの街角に多数掲げられたそうです。
意味は「どんなに強い風が吹いても、揺れるだけで沈みはしない」
戦争やテロといった困難にも屈せず、立ち上がっていったという精神からきているそうです。
「たゆたえど沈まぬ」の言葉から
私は大海原で揺蕩う(たゆたう)舟や、水流に揺れ動く木の葉を思い浮かべます。
屈しない力強さというより、揺蕩いながらも生きていく柔らかさ感じます。
揺蕩う、揺れ動く様は一見、不安定で心許無く感じるかもしれませんが、たとえ揺れ動いても沈まない…
揺蕩うことを許せる、揺蕩うことが自然なことと思える強さこそが、沈まぬ結果を生んでいるように感じます。
人生には思いもよらないこともあります。
波に揉まれて揺れ動き、不安になることもあります。
沈みそうになりかけた時、揉まれないように、揺れないように、沈まぬようにと身体に力を入れていると、意に反して沈んでいく。
身体の力を抜いて、波の動きに身を任せていることが、波の当たりを抜けさせてくれる。
揺蕩う舟のように、揺れ動き不安になっても
そのことを許し、揺蕩う。
揺蕩うこと無く生きれたらと思うこともあると思います。
この位のことで、揺蕩うなんてと思うこともあるかもしれません。
それでも、沈まなければそれでいい。
沈まなければ、また新たな波に乗ることも出来るんです。
「たゆたえど沈まず」
柔らかく、しなやかに強い…そんな在り方が素敵だなぁって思うんです。
ヒロゲシュト