WOWOW鑑賞


大女優があなたの背中を押す
(C)2019「最高の人生の見つけ方」製作委員

最高の人生の見つけ方


末期がんで入院した幸枝(吉永小百合)は残してきた家族を心配する主婦。同じく末期がんのホテル経営者のマ子(天海祐希)と同室になり親交を深める。突然いなくなった小児病棟のまりえ(鈴木梨央)が残した「死ぬまでにやりたいことリスト」を見て、退院後、自分のリストを作ろうしたが何も思い浮かばない幸枝。まりえのリストを実行するつもりだとマ子に伝えると会社を追い出されそうになっていたマ子も一緒にやると言い出す。

(C)2019「最高の人生の見つけ方」製作委員

2007年の同名作品(ジャック・ニコルソンモーガン・フリーマン主演、監督ロブ・ライナー)の日本版リメイク。オリジナル未見のため女性二人(吉永、天海)に変わった以外の変更点は不明。比較も不可。

余命を知ってからの「生き直し」がテーマ。「やり残し」のないように今までできなかったことに挑戦していくロードムービー。並行して今までの人生と向き合うわけで「我が人生に悔いなし」への着地は常套ではある。

(C)2019「最高の人生の見つけ方」製作委員

それでも「見飽きた」とならないのは僕世代の特権。というのも50歳になった時、例に漏れず「リスト」を考えた口。残り時間のうち元気に動き回れるのは何歳までか。今でないとできないものは結構あったりする。

60まで、65まで、刻んで考えたのだが、52で大きめの躓きがあり、「60まで」すらひとつもできていない現状(笑)。主人公は僕よりももっと「死」を意識する。できすぎた話だと笑う気にはなれない。

(C)2019「最高の人生の見つけ方」製作委員

本作が我々日本人にインパクトを残したのは「吉永さん」。これまでの吉永さん作品は良くも悪くも「吉永さんありき」。例えば吉永さんにNG連発する監督なんてそうはいない。スターの宿命よね。

みんなで作ってプラス・アルファを生むのが映画。本作、吉永さんの「みんな感」が強くて好感。天海さんとのW主演なのも良い方向に影響。ムロツヨシ満島ひかり賀来賢人等々共演者との距離も良かった。

(C)2019「最高の人生の見つけ方」製作委員

子どもの頃はいろんな夢があった。バカなことだ、無理に決まってる…な〜んて勝手に限界を決めて、やがて語れる夢もなくなる。そうしてるのは実は自分自身。その限界を撤廃するのも自分自身なのよね。

大切なことを幼い少女から教えてもらう主人公。他者への忖度のない道に進んだ時、目の前には見たことない景色が広がる。そして、振り返ると今まで見てたはずの景色も違って見えるに違いない。

ちなみに50歳の時に作ったリスト、スカイダイビング入れてました!(笑)


監督・脚本:犬童一心/脚本:浅野妙子/小岩井宏悦
出演:吉永小百合/天海祐希/ムロツヨシ/満島ひかり/鈴木梨央/駒木根隆介/賀来賢人/前川清/ももいろクローバーZ


hiroでした。


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